2015 Fiscal Year Research-status Report
分子内フッ素原子移動によるトリフルオロメチル基構築を鍵とする新規触媒反応の開発
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15K13701
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
川面 基 日本大学, 文理学部, 教授 (50360243)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アミノ化 / エーテル化 / エステル化 / トリフルオロメチル基 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は脂肪族1級アミンを求核剤としたアミノ化とアルコール類あるいはフェノール類を求核剤とした反応の検討を行った.その結果,脂肪族1級アミンによる反応は未だ実現できていないが,アルコール類およびフェノール類を求核剤とした反応は想定通りに進行させる事に成功した.その結果,当初の目的通り,分子内におけるフッ素原子の移動によるトリフルオロメチル基構築を伴う分子間エーテル化反応の実現に成功し,トリフルオロメチル基を有するエノールエーテルの効率的合成手法を確立する事ができた.さらに現在までの研究において,酸素求核剤としてカルボン酸を用いた場合にも中程度の収率で反応が進行し,トリフルオロメル基を置換基として有するエノールエステルが得られる事も見いだした.本反応は今後さらに触媒反応条件を精査することで収率の向上が期待できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的としていた酸素求核剤によるエーテル化反応に成功し,さらには当初計画していなかったカルボン酸を用いたエステル化反応の可能性も見出した事から,研究は順調に進行している.その一方で,未だ脂肪族一級アミンでの反応を実現できておらず,同時に反応機構の解明においては有益な知見が得られていない点に課題が残されている.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度見出したカルボン酸による反応を更に展開すると共に,当初の計画通りに炭素求核剤によるアルキル化反応に挑戦する.また,引き続きアミノ化反応の反応系拡張を行いつつ,様々な求核剤を用いた場合の反応機構あるいは反応経路の解明を目指す.
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