2016 Fiscal Year Annual Research Report
Applications of topological polymers to soft materials
Project/Area Number |
15K13703
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 拓矢 北海道大学, 大学院工学研究院, 准教授 (30525986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
手塚 育志 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (80155457)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 環状高分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の目覚ましい合成技術の進展により、種々の化学構造を有する高純度の単環状および多環状高分子が取得可能になっている。それに応じて広範な研究が行われ、環状トポロジーに基づく高分子材料の特異な性質と機能、および自己組織化状態での環状高分子の基本的な特性に関して最新の知見が得られている。本研究課題は、環状両親媒性ブロック共重合体を利用した医療用材料としてミセルおよびゲルの開発を目指すものである。 過去の報告において、ミセルに用いた直鎖状および環状高分子と同様に生体適合性の高分子で両親媒性の環状ブロック共重合体を合成した。つまり、それぞれアルケン末端基を持つ直鎖状の(ポリ-L-乳酸)-(ポリエチレンオキシド)-(ポリ-L-乳酸)および直鎖状の(ポリ-D-乳酸)-(ポリエチレンオキシド)-(ポリ-D-乳酸)を準備し、両末端を分子内で連結することによってそれぞれ環状(ポリ-L-乳酸)-(ポリエチレンオキシド)および環状(ポリ-D-乳酸)-(ポリエチレンオキシド)とした。直鎖状PLLA-PEO-PLLAと直鎖状PDLA-PEO-PDLAのそれぞれのミセル分散液の混合物は、加熱時のゲルを形成したのに対して、環状高分子の混合物は相転移の兆候が全く認められなかった。これらの結果は、ゲル化挙動は高分子のトポロジーによって発現が誘導されることを示唆している。さらに、オルトニトロベンジル部位を有する光開裂性のPLLA-PEOおよびPDLA-PEO環状ブロック共重合体を合成した。これらのブロック共重合体のミセル分散液の混合物は、UV照射時にトポロジー変換によってゲルを形成した。これは、刺激応答性の医療材料となると考えられる。
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Research Products
(20 results)