2015 Fiscal Year Annual Research Report
疾病研究に資するポリADP-リボース高精度化学合成法の構築
Project/Area Number |
15K13736
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡本 晃充 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (60314233)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ADP / リボース / 固相合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポリADP-リボース(PAR)の化学合成工程を確立する。加えて、任意のサイズ・構造の合成PARに非天然修飾を付与し、これらを用いて、化学標識PAR の創出やPAR 認識タンパク質の捕捉へ研究を展開する。正しくPARの機能を理解するためには、正確な構造のPAR を用いる必要がある。しかし、酵素を用いてPARを作製しようとする限り、様々な重合度を持つPARの混合物でしか得られず、1 種類のPAR を得ることはできない。任意の構造のPAR を純品で用意するには、合成化学的な工程を経る必要がある。生物学的合成単位にこだわらないチャレンジングな基質設計をしPAR 合成へのDNA 化学合成系の転用によって斬新なPAR 入手法を提案する。 DNA 固相合成法の一つであるホスホロアミダイト法に準拠して、効率的なPAR 化学合成法を構築した。PAR のピロリン酸部分が単量体合成段階における反応条件や精製条件に脆弱であるため、本来のPAR の単量体であるNAD+単位を単量体とせず、ピロリン酸部位の前後で順次結合を作った。リボシルアデノシンと二亜リン酸は、連結予定部分の水酸基を弱い酸条件で加水分解可能なジメトキシトリチル基で保護し、その他の水酸基・アミノ基は担体からの切り出しの工程で同時に脱保護可能なベンゾイル基で保護した。他にも、スターターとしてのリボースとキャッピングとしてのアデノシンの保護体も用意した。PAR合成サイクルを経て、ADP-リボース2量体までを得ることができた。
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Research Products
(1 results)