2017 Fiscal Year Research-status Report
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15K13745
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
依馬 正 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (20263626)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ポルフィリン / マンガンクラスター / 光合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
2つの水分子を4電子酸化して酸素分子を与える光化学系IIの酸素発生中心(Mnクラスター)は、光合成における心臓部である。本研究では、これによく似たMnクラスターを合成するための超分子戦略を開発する。即ち、Mnクラスターに対して3つのカルボキシラート基を真横から配位させ、系統的な構造チューニングが可能な超分子配位システムを構築する。大環状型Znポルフィリン六量体-ビスピリジン配位子-Mnクラスターからなる超分子を合成しX-線結晶構造解析する。 前年度までにカップリング反応を駆使することにより6つのピリジン部位を有するテンプレート分子を用いたカップリング反応条件において、ポルフィリン単量体から大環状六量体が収率30%で得られることを発見した。本年度はテンプレート合成において種々条件検討を行った結果、収率が53%まで向上した。単量体から大環状ポルフィリン多量体を一挙に得る例はほとんどない上、このような高収率で得られた例はない。六量体の光物性をクロロホルム中及びピリジン中で測定することで、それぞれの溶液中の構造について考察した。単量体と比較することで多量体内において隣接するポルフィリン同士の電子的結合が示唆された。さらに大環状六量体とテンプレート分子の会合定数をUV滴定により求めたところ強い配位結合能が明らかになった。この結果はテンプレート分子が大環状ポルフィリン六量体の合成において強く影響していることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ポルフィリン単量体から大環状多量体を一挙に高収率に得ることに成功した。このような例はないため一定の成果が得られたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
単結晶を作成しX線結晶構造解析を行う。 得られた結果に関して学会発表と論文発表を行う。
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Causes of Carryover |
大環状ポルフィリン六量体の高効率合成に成功したものの、その構造解析などにもう少し時間がかかる。追加実験などを行い、研究を完成させたい。
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Research Products
(1 results)