2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K13747
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
真板 宣夫 徳島大学, 疾患酵素学研究センター, 准教授 (00404046)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | X線結晶構造解析 / 結晶格子 |
Outline of Annual Research Achievements |
R1-EN(1-269)のC末にBamHI/XhoIでヒトユビキチンを融合させ、大腸菌で発現・精製を行いR1-EN(1-269)と同じ条件で結晶化させることを試みた。最初R1-EN(1-269)を等量混合して結晶が得られ、これをX線に照射して構造解析を行ったが、ユビキチンの電子密度は得られなかった。その後ミクロシーディングを繰り返すことで、R1-EN(1-269)-Ubのみで同様の結晶化に成功したが、構造解析の結果これもユビキチンの電子密度は得られなかった。 そこでコンストラクトのデザインを見直し、結晶中で電子密度が見えているGly223までのコンストラクト(R1EN-0-Ub)、さらに2残基ずつ伸ばしたコンストラクト(R1EN-2-Ub、R1EN-4-Ub、R1EN-6-Ub、R1EN-8-Ub)を作製した。これらを大腸菌で発現・精製し、前述と同様の方法で結晶化し、R1EN-6-Ub以外は全て構造解析を行った。 R1EN-0-UbからR1EN-4-Ubについては、ユビキチン由来の電子密度が得られた一方、R1EN-8-Ubは電子密度が得られなかった。これはリンカーの長さによりユビキチンの運動性が変わり、結晶格子中に固定されなくなるためと思われる。R1EN-0-Ubは一つのユビキチン鎖が見えたが、R1EN-2-UbおよびR1EN-4-Ubは2つのコンフォーマーが見えた。しかしR1EN-0-Ubに於いても電子密度は薄く、占有率は0.5程度であった。 その他、R1EN-2-FAM3C及びR1EN-0-METTL7Bも作製し、大腸菌で発現させたが発現量が極めて低く、また可溶化しにくいため、結晶化に至っていない。最終目標である新規タンパク質の構造決定にはまだ多くの障壁があるが、ユビキチンの電子密度が見られた事でこの手法の有効性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
R1EN-Ubに関してはほぼ当初の予定通りの成果が得られた。一方、それ以外のタンパク質に関しては当初の予定通りFAM3C、R1METTL7B、KLF5についてもコンストラクトを作製したが、いずれもR1-EN(1-269)に融合させるものであった。ユビキチンの結果からリンカーの短い方が良いと思われたため、新たにC末を削ったR1ENに融合させるコンストラクトを作り直した結果、若干の進捗の遅れが生じている。また、これら融合タンパク質は可溶化しにくく結晶を得るまでには至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
ユビキチンについては上手く行っており、基本的に当初の計画通り進める。今年度は分子量の大きい融合タンパク質について結晶構造を決定する。ユビキチンのケースで適切なリンカーの長さが重要であると思われたので、今後は一つのタンパク質についてリンカーの長さを数種類変えたコンストラクトを作製するようにする。また、タンパク質自身の相互作用(2量体化など)も結晶格子中の固定に有利に働くと考えられるので、PvuIIやPCNAについても早急に着手する。 当初の計画には無かったが、ユビキチンの成功例を基に知財化も行う。
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Causes of Carryover |
当初12月に神戸で行われた第38回日本分子生物学会年会・第88回日本生化学会大会合同大会に参加予定で旅費を計上していたが、放射光施設のビームタイムと重なったので取りやめたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度は当初の計画に従って使用する。27年度に余った助成金は知財化の費用として使用する。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Protease-resistant modified human β-hexosaminidase B ameliorates symptoms in GM2 gangliosidosis model2016
Author(s)
Keisuke Kitakaze, Yasumichi Mizutani, Eiji Sugiyama, Chikako Tasaki, Daisuke Tsuji, Nobuo Maita, Takatsugu Hirokawa, Daisuke Asanuma, Mako Kamiya, Kohei Sato, Mitsutoshi Setou, Yasuteru Urano, Tadayasu Togawa, Akira Otaka, Hitoshi Sakuraba, Kohji Itoh
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Journal Title
The Journal of Clinical Investigation
Volume: 126
Pages: 1691 1703
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Structural analysis of the TKB domain of ubiquitin ligase Cbl-b complexed with its small inhibitory peptide, Cblin2016
Author(s)
Ayako Ohno, Arisa Ochi, Nobuo Maita, Tatsuya Ueji, Aki Bando, Reiko Nakao, Katsuya Hirasaka, Tomoki Abe, Shigetada Teshima-Kondo, Hisao Nemoto, Yuushi Okumura, Akira Higashibata, Sachiko Yano, Hidehito Tochio, Takeshi Nikawa
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Journal Title
Archives of Biochemistry and Biophysics
Volume: 594
Pages: 1-7
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Creation of customised bioactivity within a 14-membered macrolide scaffold; design, synthesis, and biological evaluation using a family-18 chitinase2015
Author(s)
Akihiro Sugawara, Nobuo Maita, Hiroaki Gouda, Tsuyoshi Yamamoto, Tomoyasu Hirose, Saori Kimura, Yoshifumi Saito, Hayato Nakano, Takako Kasai, Hirofumi Nakano, Kazuro Shiomi, Shuichi Hirono, Takeshi Watanabe, Hisaaki Taniguchi, Satoshi Omura, Toshiaki Sunazuka
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Journal Title
Journal of Medicinal Chemistry
Volume: 58
Pages: 4984-4997
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 新規組換えリソソーム酵素の創製とリソソーム病治療への応用2015
Author(s)
伊藤孝司, 西岡宗一郎, 辻大輔, 東哲也, 真板宣夫, 小林功, 瀬筒秀樹, 湯本史明, 原囿景, 石明子, 川崎ナナ
Organizer
第15回日本蛋白質科学会年会
Place of Presentation
あわぎんホール、徳島県徳島市
Year and Date
2015-06-25 – 2015-06-25
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