2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K13757
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 祐輔 京都大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (90509275)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | イオン液体 |
Outline of Annual Research Achievements |
ルイス酸の機能を有するイオン液体の開発に関して、ヨードイミダゾリウム塩およびヨードベンズイミダゾリム塩の窒素原子上の置換基を種々検討した。塩が液体として得られることを期待し、長鎖アルキル基(ノルマルドデシル基、アダマンチルメチル基、パラトリフルオロフェニル基など)を導入した。残念ながら、対アニオンがトリフルオロメタンスルホン酸アニオン(OTf-)の場合にはいずれの場合も固体として得られた。次に、対アニオンについて種々検討したところ、ヘキサフルオロリン酸アニオン(PF6-)やヘキサフルオロアンチモン酸アニオン(SbF6)、過塩素酸アニオン(ClO4)などでは固体として得られるのに対し、テトラアリールホウ酸アニオン(BAr4, Ar = bistrifluoromethylphenyl)を非配位性の対アニオンとして利用したところ、ヨードイミダゾリウム塩(2つの窒素原子の置換基はメチル基とノルマルドデシル基)を液体として得ることに成功した。今後、本液体を用いて様々な検討を行う。また、有機合成への応用についても興味深い知見を得ることができた。すなわち、上記で得られた塩が触媒として機能するかどうかについて、種々検討を行ったところ、臭化トリメチルシランを共存させた場合に、アルコールとアリルトリメチルシランとの脱水酸基型のカップリング反応が進行することがわかった。対アニオンとしてSbF6やBAr4を有する塩の場合に、比較的高い触媒活性を示すことがあきらかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対アニオンを精査することで、1例ではあるが液体として得られることがわかった。また、ヨウ素原子をもたない塩では進行しないような反応を見出すことができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、見出した反応の基質一般性を検討する。また、抽出溶媒や後処理を工夫することで回収、最利用できるような反応系へと展開する。さらに、ヨウ素以外のハロゲン原子を有するイオン液体の開発とそれを利用した反応開発を行う予定である。
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Causes of Carryover |
物品の購入上において端数が生じただけである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費として使用する。
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Research Products
(5 results)