2017 Fiscal Year Annual Research Report
Catalytic conversion of carbon dioxide in seawater
Project/Area Number |
15K13759
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
高良 聡 琉球大学, 理学部, 准教授 (40324850)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 炭酸脱水酵素 / 炭酸カルシウム / 二酸化炭素 / 水素化 / 海水 |
Outline of Annual Research Achievements |
二酸化炭素固定化の一つとしてサンゴ骨格に着目し、炭酸脱水酵素(CA)が及ぼすサンゴ骨格形成への影響を解明を目的として、前年度に合成・構造解析を行った複数の炭酸脱水酵素(CA)モデル錯体を用いて実験を行った。最終年度は、1)CAモデル錯体を用いた炭酸カルシウム結晶成長(人工合成)に関する実験および2)CAモデル共存での二酸化炭素の水素化実験、を集中的に実施した。 前者では、人工合成による炭酸カルシウムの生成反応では、水酸化カルシウム水溶液の懸濁液に二酸化炭素ガスを吹き込むバブリング法と塩化カルシウム水溶液と炭酸ナトリウム水溶液との反応の沈殿法を適用した。前者では、添加物の種類に関係なく結晶形はカルサイトのみであることをXRD測定より同定したが、形状はSEM測定で判断出来なかった。後者では、無添加下では最も安定なカルサイト(立方形)が得られ、種類に関係なく錯体を添加するとカルサイト(立方形)およびバテライト(球状)の2種類を生成した。また添加物の濃度に依存性があることがわかった。添加濃度を高くすると不安定なバテライトの生成率が増えた一方で、低濃度ではカルサイトのみが生成した。ここで得られたカルサイトは珍しい球状であった点は、非常に興味深く、生成メカニズムを検討している。これらの結果より、CAモデル錯体の効果は結晶形の制御および炭酸カルシウムの生成促進をさせる可能性が高いと示唆された。 後者においては、二酸化炭素の水素化触媒として有効な水溶性ルテニウム錯体を見出し、人工海水中において効率的に二酸化炭素をギ酸へと変換することに成功した。しかしながら、CAモデル錯体の添加では著しい効果を見いだすことができず、現在条件を検討中である。
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