2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of Enhanced activity for oxygen reduction reaction of Pt catalyst loaded on the partially reduced mixed oxides
Project/Area Number |
15K13765
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
酒井 剛 宮崎大学, 工学部, 教授 (40284567)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 電極触媒 / 酸素還元活性 / 酸化物担体 / 水熱処理 / 溶媒熱処理 / 結晶成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、平成28年度までの実績を踏まえ、特異的結晶成長のメカニズム確定と共に、担持する白金粒子の分散性を高めることによって比表面積値の増大を図るとともに、他の遷移金属と白金との複合化によって白金使用量の低減を図りつつ高活性化を達成できる組み合わせを探索するなどの検討を行った。 これまで、Ti-Sn複合酸化物を加水分解によって合成し熱処理したところ、250℃で焼成しても結晶成長しないのに対し、水熱処理150℃で結晶成長する特異的な現象を見出している。XPS測定より、水熱処理前の試料はほとんどTi3+の状態であり、結晶成長後も試料内部にTi3+が僅かながら残存し、3価のTiが含まれているアモルファス状態の試料には、OH基(水)も含まれていること、および、水熱処理時にこの水が取り除かれると同時に結晶成長が進むメカニズムを明らかにした。これは、Ti-Sn複合酸化物に有機溶媒またはアルコールで溶媒熱処理を行ったところ、水熱処理時に見られた顕著な結晶成長は認められず、特異的な結晶成長には、試料内部もしくは溶媒内に水が必要であることから確定できた。水を含まない有機溶媒では結晶成長しないことが明らかになったことから、界面活性剤を用いて逆ミセルを形成させ、逆ミセル中で白金の単体への担持と共に、担体の安定化のための結晶成長を起こさせる合成法を開発し、Pt触媒の高分散化を試みた。得られた試料は、市販のPt/C試料よりも高い酸素還元比活性を示し、これは、Ti-Sn複合酸化物の酸素欠陥部近傍にPtが担持された効果によると考えられた。また、PtをCoなどの遷移金属と複合化および合金化した系やPdなどの貴金属と合金化あるいは複合化した系でも市販のPt/C試料よりも高い酸素還元比活性を示し、これらの触媒は次世代カーボンフリー電極触媒の活性としては実用化に近い性能を有することを明らかにした。
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