2016 Fiscal Year Annual Research Report
In-situ measurement of perovskite crystal growth and the solar cell efficiency.
Project/Area Number |
15K13774
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
早瀬 修二 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 教授 (80336099)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 太陽電池 / ペロブスカイト / 水晶振動子 / QCM |
Outline of Annual Research Achievements |
ペロブスカイト(PVK)結晶をバルク状態で成長させると結晶粒径は110nmであったが、ポーラスチタニアのナノ空間でPVK結晶を成長させると結晶粒径は40nmと小さくなることがわかった。アンチソルベント(AS)法を用いてバルク状態で作製した結晶の粒径は60nm程度であり、AS法なし(通常方法)で作製しPVK膜に比べ結晶粒径は小さかった。一方AS法で作製したナノポア中のPVKの結晶粒径は30-40nmであり結晶粒径は通常法と大差が無いことから、AS法はチタニアナノポア中で生成する結晶サイズには大きな影響を及ぼさないことがわかった。AS法で作製したPVK太陽電池の性能が優れていることが知られているが、これは結晶粒径が大きくなり結晶の欠陥が少なくなるためではなく、多結晶からなるペロブスカイトの粒径が大きくなり、表面被覆状態がよくなるためと説明できる。 ポーラスチタニアのナノポア壁面とPVK結晶界面に存在するトラップは電荷再結合サイトになるため、ヘテロ界面のトラップ密度を減少させなければならない。チタニア界面をPbCl2でパッシベーションしヘテロ界面のトラップ密度の異なる3種類のヘテロ界面を作製した。このヘテロ界面を含むPVK太陽電池を作製し、XPSおよび水晶振動子を用いてヘテロ界面に結合しているPb, Cl, ヘテロ界面トラップ密度、および太陽電池効率の関係を調べたところ、チタニア界面にPbが多いほどチタニア表面のトラップ密度が低く太陽電池性能が高くなった。このトラップ密度と太陽電池特性の関係はシミュレーションの結果と一致していた。 またチタニア界面のパッシベーションはチタニア界面から成長するペロブスカイト結晶構造に変化を及ぼしてきることが示唆された。ナノポア中のヘテロ界面制御はトラップ密度分布と結晶成長の観点から効率向上に重要である。
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