2015 Fiscal Year Research-status Report
超撥水表面を利用した溶存ガス高感度検出および液体高効率分離
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15K13777
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三ツ石 方也 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (70333903)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 超撥水 / 界面 / 多孔質 / 高分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
フッ化炭素を側鎖に有するフッ素系両親媒性高分子poly(N-1H,1H-pentadecafluorooctyl methacrylamide)(pC7F15MAA)を合成し、ナノ粒子からなる粒子薄膜形成条件を検討した。合成したpC7F15MAAを良溶媒であるハロゲン系溶媒AK-225と貧溶媒酢酸の2種類の溶媒からなる混合溶媒に溶解し、基板上にドロップキャストすることで数百ナノメートルからなるナノ粒子が凝集した薄膜を形成することを見出している。AK-225と酢酸の混合比を変えて粒子薄膜形成能を検討したところ、混合比が4:1から1:5の間で粒子薄膜が形成されることを突き止めた。さらに混合溶液濃度について調べたところ、低濃度では粒子薄膜表面を覆うようにシート状の薄膜が形成され、高濃度ではひび割れが生じた。検討の結果、0.5wt%が薄膜形成に最適濃度であることがわかった。15種類の異なる溶媒を用いて接触角を調べたところ、ハロゲン系溶媒やトルエンに対し混合比によって溶媒に対する接触角が異なることがわかった。この点についてはさらなる検討が必要である。いずれの場合も水に対しては接触角が150度以上の超撥水表面となった。非相溶性溶媒(AK-225と水)中においてpC7F15MAAがミセルを形成することを利用して平均直径50 nmのナノ粒子が作製できることを見出した。AK-225と水中で形成されるpC7F15MAA ミセルが直径280 nmの大きさを有すること、臨界ミセル濃度がモノマー換算で0.02mol/Lと求められ、低分子フッ素系表面活性剤と同等であることに着目し、pC7F15MAAナノ粒子が一つのミセルから形成されることを突き止めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アミド結合を有したフッ素系両親媒性高分子を合成し、混合溶媒を使用することで超撥水性を示し、多孔質の粒子薄膜の作製条件を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
フッ素系両親媒性高分子について、ホモポリマーだけではなくコポリマーとしての粒子薄膜制御能について検討する。さらに、フッ素系両親媒性高分子の合成方法をラジカル重合のみならず、高分子反応などについて検討する。
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Causes of Carryover |
当初計画していたよりも物品費が抑えられたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は、消耗品および成果報告や共通機器利用により有効に予算執行を行う。
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Research Products
(7 results)