2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Polymer Nanocomposite which exhibit self-healing with atmospheric molecules
Project/Area Number |
15K13792
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
内藤 昌信 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 構造材料研究拠点, グループリーダー (30346316)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 自己治癒 |
Outline of Annual Research Achievements |
亀裂を補修できる自己修復ポリマーは、樹脂の高耐久性・長寿命化・高機能化を可能とすることから、近年世界中で精力的に研究が進められている。従来の自己修復には、損傷部に露出した官能基間の化学反応で接着させる方法や、モノマーを含む微小カプセルが破壊されることで空隙に流出し固化する方法などがある。いずれの場合も、裂傷部の物理的距離を埋めることが修復の必須条件である。一方、樹脂の劣化・破壊では、ウィークボンドやミクロドメイン、ボイドといったナノスケールの空隙・裂傷が根本的な原因と目されるようになってきた。すなわち、微細な空隙を充填しながら自己修復する手法が開発できれば、樹脂の寿命・強度・機能を飛躍的に向上させることできる。しかし、化学的・力学的な力を印加せずに微小空隙を自発的に穴埋めする自己修復機構はこれまで提案されていない。本研究では従来の自己修復ポリマーでは実現していない「空隙を自動的充填し、力学特性・機械特性などを回復する自己治癒型高分子系ナノコンポジット」を創出することを目的とした。その結果、水蒸気等の湿度に反応して自己修復を示す高分子の合成に成功した。
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