2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K13801
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
北野 政明 東京工業大学, 元素戦略研究センター, 准教授 (50470117)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 溶媒和電子 / 合金ナノ粒子 / アンモニア合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
液体アンモニア中に金属Naを溶解させることによる溶媒和電子を利用し、金属ナノ粒子の合成方法の確立を中心に検討した。直径数nm程度のAgやRuなどの貴金属ナノ粒子や、Fe等の卑金属ナノ粒子も容易に合成できることを確認した。また、アルミナのような金属酸化物に金属ナノ粒子を担持する手法の開発にも着手した。溶媒和電子による液相還元法を用いると5nm以下の微粒子でRuを金属酸化物に担持できることがわかった。さらに、ナフタレンを含む有機溶媒に金属Naを溶解させることによって生じる溶媒和電子を利用することで、Co-Mo合金ナノ粒子を合成することに成功した。CoやMoのみを担持した触媒ではほとんど触媒活性を示さないが、液相還元法で合成したCo-Mo合金ナノ粒子担持触媒は、優れたアンモニア合成活性を示した。また、含浸法などによりCo-Mo合金ナノ粒子を合成した場合においてもある程度触媒活性を示したが、液相還元法によって合成したCo-Mo合金ナノ粒子の方が遙かに高い触媒活性を示した。このことにより、本研究により見いだした、液相還元法が合金ナノ粒子触媒の合成に有効であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、貴金属は使用するが、貴金属使用量を低減した合金ナノ粒子の合成を検討する予定であったが、貴金属を使用せずRuのような貴金属を凌駕する合金ナノ粒子触媒の合成に成功した。また、液体アンモニア中の溶媒和電子を液相還元法に利用する計画であったが、ナフタレンを含む有機溶媒中の溶媒和電子を用いることで、様々な金属塩を利用できるようになり、多様な合金ナノ粒子触媒合成の道筋を立てることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度で得られた成果を、論文や学会発表で報告するとともに、さらに研究を発展させる。具体的には、既存の液相還元法では合成できない卑な酸化還元ポテンシャルを有する金属種を含む合金ナノ粒子の合成に着手する。
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Causes of Carryover |
平成27年度に、液体アンモニアを用いた溶媒和電子によるナノ粒子合成を行うために、耐圧容器などの備品類を揃える予定であったが、もっと簡易的な方法で合金ナノ粒子を合成する方法を見いだしたため、耐圧容器などを揃える必要がなくなり、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
このため、ナノ粒子の電子顕微鏡による観察、触媒反応評価用の装置、国内外での発表を次年度に行うこととし、未使用額はそれらの経費に充てることを計画している。
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Research Products
(1 results)