2016 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of Multifunctional Solid Catalysts with Cooperative Actions by Metal and Phosphate Units
Project/Area Number |
15K13802
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鎌田 慶吾 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (40451801)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 酸塩基触媒 / 二元機能触媒 / バイオマス / ルイス酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究では、孤立した単核ホスフェートのもつ塩基性に由来した特異的分子活性化能(求核剤、二酸化炭素など)に着目し、オルトリン酸を構成ユニットとする金属リン酸化合物触媒の合成とリン酸ユニットに隣接する金属(ルイス酸点、酸化還元、等)との共同触媒作用を利用した、金属やリン酸ユニットのみでは達成し得ない高難度、あるいは新しい触媒反応系の開発を目的としている。本年度は、水熱法により合成したリン酸セリウム触媒が他の均一系および不均一系酸・塩基触媒とは大きく異なり、5-ヒドロキシメチルフルフラールの官能基選択的アセタール化反応に高い触媒活性を示した。リン酸セリウム触媒の存在下、種々のカルボニル化合物とアルコールの組み合わせにより、対応するアセタール化合物を高収率で与えた。反応機構の検討から、リン酸セリウム触媒上の均質なルイス酸点と弱塩基点がそれぞれ5-ヒドロキシメチルフルフラールとアルコール分子に相互作用し、二元機能触媒として機能することで高い触媒性能を示すことが示唆された。本反応系は、(1)水酸基をもつカルボニル化合物に対しても高い収率・アセタール化合物への官能基選択性を示す、 (2)広範な基質群の組み合わせ・ラージスケール合成への応用可能である、(3)不均一触媒系として再使用可能である、といった特長がある。金属リン酸塩および類縁化合物が5-ヒドロキシメチルフルフラールへの糖変換反応に対してよく研究されているが、リン酸セリウムの酸塩基触媒作用はこれまでに報告されていない。このような二元機能が酸の影響を受けやすい官能基を有するカルボニル化合物を含む広範な基質の官能基選択的アセタール化反応に有効であると考えられる。
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Remarks |
本研究成果の関連記事が、以下のメディアに掲載されています。日経産業新聞 2月23日付朝刊8面、化学工業日報 2月27日付朝刊6面、科学新聞 3月10日付3面
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Research Products
(9 results)