2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of vibration-driven electrochemical reactor based on vibration energy harvester system
Project/Area Number |
15K13808
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
田中 優実 東京理科大学, 工学部工業化学科, 准教授 (00436619)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | セラミックス / エレクトレット / 振動発電 / アパタイト / 水電解 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日常的に発生しているにもかかわらず現状ではほとんど利用されていない低周波振動を化学エネルギーとして有効に回収し得るエネルギー変換システムの構築を目的とし、A》オキシ水酸アパタイト(OHA)エレクトレットの高性能化、B》帯電/非帯電パターニング形成技術の検討、C》OHAエレクトレット/電極系の出力評価およびD》水電解電極ユニットの試作に取り組んだ。 A》については、理論計算と実験結果との対比に基づいて、OHAセラミック内で分極形成に寄与するキャリアの数や種類、トラップサイトにおける安定性を見積もることに成功し、さらに得られた結果に基づいた分極処理条件の最適化によって、厚さ0.3~1 mmで±4000 Vに至る表面電位を保持するOHAエレクトレットを比較的低温(100~200℃)かつ短時間(10分~)で作製する技術の確立に至った。B》については、1)溝加工(深さ方向の電位差を利用)、2)部分導体遮蔽および3)正/負帯電OHAエレクトレットの交互配列に基づく帯電パターニング(いずれもパターンは2 mm間隔)について、理論計算と実験の両面から検討した。結果、3)において、最大電位と最小電位の差が3600 V(エレクトレットから垂直方向に0.5 mm離れた位置における、電気力線の歪曲を考慮した場合の高低差の理論値に相当)に至る正負パターンを有するOHAエレクトレットの作製に成功した。C》については、静電式振動発電機を模したOHAエレクトレット/空気層/振動電極系について、空気層=0.1~1 mmの範囲において電極内に誘導される電荷量を評価し、理論値比で60~70%相当の電荷を実験的に取り出すことが可能であることを明らかにした。一方D》については、現時点で水電解反応を十分に有機させることのできるユニットの試作には至らなかったことから、今後も継続して取り組むべき課題である。
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Research Products
(9 results)