2015 Fiscal Year Research-status Report
多孔性シリカコロイド結晶による波長可変発光素子の創製とベイポルミネセンスへの展開
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15K13820
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Research Institution | Osaka Research Institute of Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
道志 智 地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (00393299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 雅也 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80305648)
堀内 悠 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90611418)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 真球状多孔質シリカナノ粒子 / 天然由来成分 / アミノシラン / 白色発光性シリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
天然物由来の成分とシランカップリング剤を用いて真球状シリカナノ粒子が合成できることを明らかにした。特に、アミノ基を有するシランカップリング剤を用いることで、15秒程度の非常に短い時間で200nm程度の球状粒子が合成できることを明らかにした。球状粒子が生成するための最適な天然由来成分とシランカップリング剤のモル比が存在することを明らかにした。種々の条件で合成したところ、粒子径の単分散性を示すCV値(変動係数)は約10%程度まで高めることに成功した。また、焼成条件を制御し、ごく微量の炭素を残すことで、ブラックライト照射下で白色に発光する球状シリカが合成できることを明らかにした。さらに、新規に見いだした球状シリカナノ粒子の合成メカニズムについて検討を行った。その結果、天然由来成分のフェノール基がアニオン性、シランカップリング剤のアミノ基がカチオン性になるpH条件のときのみ、球状粒子が合成できることを明らかにした。すなわち、粒子合成の第一段階として、天然由来成分のフェノール基とシランカップリング剤のアミノ基が相互作用することで、小さな核が形成され、その核同士が自己組織化することで、数百nmの球状ナノ粒子が生成していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロイド結晶が作製可能な10%という最低限の単分散性まで到達することはできた。また、天然物を内包した球状シリカナノ粒子を炭化後、空気焼成することで、わずかに炭素を残留させることに成功し、ブラックライト照射下で白色に発光することを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は単分散性をさらに高めるため、急速かつより均一に混合できるマイクロリアクターを利用して、球状ナノ粒子の合成を試みると同時に、超低速ディップコーターにより、コロイド結晶を作製する。種々の粒径のコロイド粒子を用いてコロイド結晶を作製し、光学特性についても評価を行う。
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Causes of Carryover |
予定していた学会の旅費が予定より少なかったため、旅費を次年度に繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度、学会発表の旅費として使用する。
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