2015 Fiscal Year Annual Research Report
新FeCo合金の大逆磁歪・ロバスト加工性を活かした機械構造物経年変形センシング
Project/Area Number |
15K13821
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
古屋 泰文 弘前大学, 北日本新エネルギー研究所, 教授 (20133051)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 磁歪合金 / 逆磁歪効果 / スマートセンサ / FeCo合金 / インフラ劣化診断 / 漏れ磁束 / 応力センサ / 残留応力 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者(弘前大・古屋)グループが2011年に開発した、新開発の大磁歪、高感度、加工量産性・低コストを達成した、ロバスト(堅牢)な鉄基FeCo過剰型磁歪合金素材(技術シーズ、特許3件申請済み)を、機械・建設系構造体の支柱や梁構造に固定設置し、負荷応力に伴う“逆磁歪漏れ磁束・発電効果”を利用した経年変形・劣化診断用のセンサ計測システムの可能性を調査した。まず、強加工(線引き)で得たFeCo線材(直径φ=1mm)の磁化特性を、VSM、磁歪特性をひずみゲージで計測し、X線構造回析によって、その結晶構造を解析して、バルク溶解材や冷間圧延材と比較して、磁気・磁歪特性の変化を調査した。そして、磁歪線材を組み入れたアルミ梁構造物への力センサとしての実証実験を行って、以下の知見を得た。
1.Fe29Co71[mass%]線材は、結晶配向性をもち、熱処理により、飽和磁歪量は1.3倍、磁歪感受率は最大3.5倍上昇して、応力下での漏れ磁束を増して高感度力センサとなることが判った。 2.熱処理し磁歪感受率が増加した材料の引張り試験から、漏れ磁束の感度は0.0264mT/μと未熱処理に比べ13倍近くとなった. 3.インフラ構造物用の力・歪センサとして、磁歪線材をアルミ梁に接着し曲げ変形による漏れ磁束を計測し、わすかであるが曲げによって漏れ磁束が変化したので、逆磁歪効果を利用した力センサの可能性は十分ある。
|