2016 Fiscal Year Annual Research Report
Labyrinth-type ferroelectric polarizations in nano-metamaterials and their design from microstructures and mechanics
Project/Area Number |
15K13831
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
嶋田 隆広 京都大学, 工学研究科, 助教 (20534259)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | メタマテリアル / ポーラス材 / 強誘電体 / マルチフィジックス特性 / Phase-Field法 / 自由エネルギー / ナノ構造 / Landau理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
強誘電(圧電)材料は、ナノ機械システムや高密度記録媒体など次世代ナノ科学技術の基幹を成す最重要材料である。通常、強誘電材料は直線的な自発分極を示すことがよく知られているが、内部に微視的かつ周期的な形状を有するメタマテリアルでは、従来の均質材中では見られない多様な強誘電分極パターンが存在する。この新奇な分極パターンによる状態数の増加や特有のヒステリシス応答などの新しい機能により様々な技術革新が期待できる。本研究では、メタマテリアルの微視的内部形状に強く依存して現れる特有の分極パターンとその発現機構を解明することを目的とする。
最終年度である平成28年度は、まず、(1)幾何的形状の異なる複数のナノ・メタマテリアルに対して負荷条件下での解析を実施し、負荷に対する変形特性ならびに強誘電分極パターンの応答(マルチフィジックス特性)を評価した。メタマテリアル内部の結合部分において特に顕著な強誘電分極の応答が見られ、メタ材料は均質材よりも大きな圧電応答ならびに異方性を示すことを明らかにした。(2)同時に、メタマテリアル内部の反電場分布を解析した。この反電場はメタマテリアル内部の表面形状に応じた分布をしており、これによって渦状などの分極秩序が発現することを示した。(3)強誘電ナノ材料に対する自由エネルギーモデルを構築し、(4)構築した計算機へと実装を行った。これを用いて、大規模なメタマテリアル内部構造の解析や電場負荷を解析を行い、形状と特性に関する知見の拡大を行った。(5)以上の研究成果をまとめ、Acta Materialiaをはじめとする国際学術誌への投稿や、英文著書「Multiphysics in Nanostructures」の執筆を行った。
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