Evaluation of plastic internal physical property with THz polarization

2016 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15K13842
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 梶原 優介 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (60512332)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2017-03-31
• Keywords: 精密位置決め・加工計測 / テラヘルツ波 / 樹脂 / 差周波 / 配向 / パルプ成形

Outline of Annual Research Achievements

本研究は，テラヘルツ(THz)波に対する偏光応答を利用した，樹脂成形品の高精度・非侵襲かつ簡便な内部物性評価法を確立することを目的としている．具体的には，波長がチューナブルなTHz光源を作製し，反射光学系，THz偏光素子，THz検出素子による偏光光学ユニットを構築して，THz偏光利用型内部物性評価装置を開発する．樹脂成形品の最重要物性である「配向」「残留応力」および「結晶化度」を簡便かつ非侵襲・高精度で評価できる技術は確立しておらず，現在では侵襲性の高い破壊試験法や表面近傍の評価のみ可能なX線回折法などに頼っている．しかし樹脂に対して透明で，高分子の振動や結晶配向に敏感なTHz波を利用すれば，目的とする評価技術の実現が期待できる．最終年度（平成28年度）においては，連続波光源による差周波THz光源の作製を行い，偏光依存性の高い2～4 THzの領域を含む，波長がチューナブルなTHz光源を作製した．加えて，GHz領域（特に，100 GHz領域）がパルプ射出成形品の含水率評価に利用できることを実証し，樹脂に加えてパルプ成形品内部物性評価法への応用展開の可能性を見出している．GFRPやCFRPの透過率がパルプ同様にGHz領域で高まることから，現在需要が極めて高くなっているコンポジット材への適用も期待できる．これらの基礎技術を導入することで，高精度・非侵襲かつ簡便な内部物性評価法の確立が十分に期待できる．