2016 Fiscal Year Research-status Report
小型化・高推力化に適した高性能熱磁気サーボアクチュエータの基礎研究
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15K13853
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 海二 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (00215766)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 機能要素 / 熱磁気アクチュエータ / 感温磁性体 / ハイブリッド / 電磁力 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度の研究実施計画に基づいて,以下のことを行った. [3]実験結果に基づく課題の抽出と改良 ペルチエ素子で加熱・冷却を行う形式の昨年度のアクチュエータの最も大きな課題は,低い温度応答性に伴い,アクチュエータの推力応答性が低く,制御性能劣化の大きな要因になっていることである.そこで応答性の低さを電磁力で補償し,バイアス成分を感温磁性体を利用して調整される駆動力が担うハイブリッドアクチュエータを提案し,設計試作を行った.その際,(a)感温磁性体の加熱は電磁力発生用コイルを利用し,冷却は専用のメカニズムで実現する,(b)永久磁石は,電磁力応用,感温磁性体応用の両アクチュエータで共有・利用する,(c)推力は位置に依存しないように設計する,こととした.設計したアクチュエータは,円柱形の1軸運動機構で,ハルバッハ配列構造をもつリング状磁石が駆動される.冷却機構は,銅製のリングと熱伝導性の高い緩衝材を含み,これらを感温磁性体に接触させて熱を逃がす仕組みになっている. [4]ハイブリッドアクチュエータを用いた試作1軸運動機構の特性 設計・試作したハイブリッドアクチュエータの特性を実験的に評価した.試作ハイブリッドアクチュエータで融合されている2種類のアクチュエータはスムーズに連携可能で,位置によらない推力を発生し制御容易な特性を示している.精密位置決め実験を行い,誤差をサブミクロンオーダに抑制できることを確認している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
最初の試作アクチュエータ,ハイブリッドアクチュエータともに,コアレスリニアモータよりも良好なエネルギー効率が示されたが,コア付リニアモータに対する優位性が示せていない.そのため様々な条件で比較し,特性を調べるとともに,エネルギー効率を向上させる試みを続ける必要がある.現在それに取り組み中である.
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Strategy for Future Research Activity |
(1)様々な条件でコア付リニアモータと比較し,優位性を検証する. (2)熱特性を改善し,エネルギー効率向上を図る.
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Causes of Carryover |
残された課題を遂行するための残金である.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
エネルギー効率の向上の試みや成果発表などに利用する予定で研究を進めている.
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