2015 Fiscal Year Research-status Report
革新的潤滑添加剤である酸化グラフェンを用いた歯車のピッチング損傷の抑止
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15K13858
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
木之下 博 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (50362760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大宮 祐也 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (40717203)
藤井 正浩 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (80209014)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | トライボロジー / 転動試験 / 疲労破壊 / 酸化グラフェン / 潤滑油 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、まず酸化グラフェンを分散させるための適切な分散剤の選択を行った。酸化グラフェンを構成する炭素のうち2つに1つは酸素と結合しているという非常に極性が高いものであり、無極性の潤滑油にはそのままでは分散しない。選択した分散剤で酸化グラフェンを長時間にわたり分散することが可能となった。ただ、往復摺動試験を行うと分散水を用いた時に生じるトライボフィルムが形成されず、引き続き分散剤の選択を行う。ただ、往復摺動試験では無添加なものと比べて摩擦・摩耗共に低くなったので、酸化グラフェンが摺動面に入り込んでいるのは間違いないと思われる。 また今年度に、様々な酸化グラフェンを分散した潤滑油で実験を行うために、潤滑油量が少なくてすみピッチングが生じる転動試験機を4台試作した。これによって実験がスムーズに進む体制を整えた。基礎的な実験で、無添加のもので約48時間で疲労破壊が生じることが分かった。ただ、酸化グラフェンを添加するとこれよりも長い時間が実験する必要があり、実験条件の見直しが必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究計画である、潤滑油への酸化グラフェンの分散、実験装置のセットアップは終了し、遅延はない。
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Strategy for Future Research Activity |
潤滑油に分散した時にトライボフィルムが形成されていない。引き続き適切な分散剤を探求する。さらに、研究計画には無いがトライボフィルムが形成しやすい水分散のものでも実験を行って、寿命を延ばすことが可能か試してみる。さらに、実験条件をもう少し早く疲労破壊が生じるようにして、試行回数を増やすことを試みる。
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Causes of Carryover |
当初、ローラー試験機の試作を計画していたが、試験的に行った短時間での往復摺動転がり摩擦試験で良い結果が得られたので、回転式転がり試験機をすることとした。ローラー試験機より回転式転がり試験機の方が費用を安く抑えられたので、差額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ローラー試験機より回転式転がり試験機の方が数多く実験を行うことができ研究は進展できる。ただ、その分、試験片が多量に必要となり、この費用に充てる。
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Research Products
(6 results)