2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K13869
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
玉野 真司 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40345947)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | バイオ流体力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、微生物から構成されるバイオフィルムによる流動抵抗低減を研究目的としている。バイオフィルムの流動抵抗低減効果を円管内流れの圧力損失と流量の計測により明らかにする。その際、バイオフィルムの形成促進のための生物学的手法に加えて、バイオフィルムの表面粗さと粘弾性の流体力学的評価を行うことで、抵抗低減壁面としてのバイオフィルムの可能性を吟味し、その高機能化に取り組む。さらに、リブレット(微細な縦溝構造)の知見を応用した「バイオフィルムリブレット」を創成する。平成28年度においては、バイオフィルムの生物学的アプローチとして、培養液およびバイオフィルムの形成に関するデータベースを構築し、最適環境を精査することで、バイオフィルム形成に関する独自のノウハウの習得を試みた。また、バイオフィルムの流体力学的アプローチとして、バイオフィルムの凹凸形状が観察可能な電子顕微鏡を用いたシステムを構築した。さらに、流量調整機能を有するフローセルシステムを用いた実験装置を新たに構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定した通り、バイオフィルムを観測するための光学システムを構築することができた。ただし、形成されたものがバイオファイルであることを明確にするため、細菌を染色する試薬を導入する予定である。また、様々な試験片でのバイオフィルム形成を可能とするため、新しいテスト流路を製作中である。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに構築した流路を用いて、様々な試験片においてバイオフィルムの形成を試みる。流量と圧力損失の計測により、バイオフィルム壁面の流動損失特性を明らかにする。さらに、バイオフィルムの凹凸形状を観察し、流動抵抗に及ぼす効果を吟味する。
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