2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K13884
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
手崎 衆 富山大学, 大学院理工学研究部, 教授 (50236965)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 水素生成 / 熱分解 / 急速圧縮 / 急速膨張 / 反応凍結 |
Outline of Annual Research Achievements |
水を分解して水素を生成する手法の一提案として、①予熱した気体へのピストン圧縮により短時間に3000K程度以上の超高温を達成することができ、②その気体が水蒸気を含むときにはその熱分解により水素・酸素が発生し、③その高温気体を急速に膨張させて低温化することにより組成を凍結して水素を取り出すことが出来る。以上の原理に基づく専用の急速圧縮・急速膨張装置を組み立て、本原理による水素生成を実証することを研究目的としている。 このうちH27年度は①について、これを実現する条件は計画申請段階から検討され、試料気体はアルゴン希釈の水蒸気として比熱比の大きなものとし、1000Kの予熱に圧縮比14の急速圧縮でと、ほぼ定められていたので、装置の仕様、概念設計の検討を進めた。③について計画段階では具体的条件が見積もられておらず、酸素-水素系の詳細反応機構を用いた膨張過程のシミュレーションを行い、反応凍結の条件を検討したところ、2000K以上の高温平衡組成の混合気から水素を残すためには800K以下に急速膨張させる必要があること、そのための膨張時間は0.1ms以下が望ましいとの結果になった。これを現在のカム・ピストン機構の圧縮膨張装置で実現するには、軽量化など様々な改良を施しても機械的膨張である限り不可能であるとの判断に至った。そこで③の代案としては超音速自由膨張などの新たな手法を検討することにしたが、この部分の仕様検討までは研究機関内に行いたいが、装置の設計・製作までは期間内には困難と考えている。③の計画変更に伴い②についても膨張後の気体を分析するのではなく、圧縮時その場観察手法によって水蒸気の分解状態を確認することを目標とする。その手法として発光分光分析、吸収分光分析を用いる。水素分子の直接検出は難しいが、OHラジカル等の検出が可能であり、また水分子の赤外発光で高温達成の検証が可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要で述べたように、計画段階で立てた目標のうち、急速圧縮による高温生成は達成可能であるが、急速膨張を機械的な機構で行う限り、反応凍結・水素生成に必要なサブミリ秒の膨張速度は困難である。現状の圧縮膨張装置の駆動時定数は100ミリ秒の程度であり、改良を施しても10ミリ秒のオーダーに留まる。そのため目標を高温生成の実証と、水分解・水素生成の高温状態その場観察の手法に切り替え再検討することで「やや遅れ」の区分とした。
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Strategy for Future Research Activity |
先ず急速圧縮装置の改良作業を進め、高温生成を実証する。改良装置は圧縮シリンダーに予熱ヒーターを組み込み、ヒーター熱版近傍で圧縮前1000Kとし、圧縮比14程度で100ミリ秒の時定数で断熱圧縮を行い、10ミリ秒程度の最高温度星時間を持つ。シリンダー内部各所に熱電対を配置して圧縮前温度分布をモニターし、高速圧力ピックアップでエンジン解析と同様の平均温度推移の算出を行うと共に、光学窓を備えて発光及び吸収の分光分析を行うものとし、圧縮時その場観測によって所定の高温達成と水分子熱分解の実証までを研究機関内の目標として達成したい。
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Causes of Carryover |
研究実績の概要及び進捗状況で記した様に、当該研究計画・目標からの一部変更として、急速圧縮膨張装置の要素の内急速膨張部分は当初組み込まないこととした関係で、部品購入で仕様再検討、購入延期としたものがあるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画の一部変更として、急速圧縮膨張装置の急速膨張機構については省略した代わりに、高温達成と水分解状態実証のための分光分析手法を増強する。そのたに前年度残高を充填する。
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Research Products
(1 results)