2016 Fiscal Year Annual Research Report
Innovative rapid processing for persistent wastewater using a gas-liquid plasma reactor
Project/Area Number |
15K13921
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
安岡 康一 東京工業大学, 工学院, 教授 (00272675)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ナノ秒パルス / 電界穿孔 / 大腸菌 / 生残率 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)ナノ秒パルス電圧発生回路の小型化:前年度に開発したナノ秒パルス電界印加装置の充電極性を反転させて,負極性短パルス:-9.9 kV,半値幅6.0 ns の発生に成功した。正負ともにほぼ設計値通りのパルス電圧が得られた。次に実用的な小型ナノパルス発生回路を目指し,純水を誘電体に使用したブルームライン線路の設計と製作を行った。外形57 mm,長さ140 mmのブルームライン線路により,4 kV充電で出力4 kV,半値幅12 ns のパルス電圧が得られたが,同軸導体金属の表面絶縁処理を施していないため純水の抵抗率が低下する課題が明らかになった。また小型化した場合にはギャップスイッチ部のインダクタンスの影響が増加することが判明した。誘電体に大気圧空気を使用する場合と比較すると,純水の場合はブルームライン線路の長さを1/10に短縮可能であるが,線路インピーダンスの低下に注意する必要があることがわかった。 (2)前年度に引き続き大腸菌の菌膜に電界穿孔で開けた細孔を通して薬液を注入する場合の薬液導入率を求めた。導入率の標準偏差は生残率測定および染色率測定の標準偏差を使って求めた。10 kV,100 Hzの条件で,パルス印加時間を10秒,30秒,60秒と変化させると導入率は徐々に飽和し,最大で60%程度になることがわかった。また10 kV,10秒の条件で,周波数依存性を調べた結果50 Hzで最大値をとる結果が得られ,最適な導入条件が存在することがわかった。またプラズマ照射を含めた他研究との比較を行ったところ,本方式では薬液導入率50%以上を高い生残率で実現できることがわかった。
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