2015 Fiscal Year Research-status Report
波形重畳高電圧パルス制御による菌類の分離・培養の一元化技術の創成
Project/Area Number |
15K13923
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
佐々木 徹 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90514018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沼 清 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50396834)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 波形重畳型パルスパワー放電 / 大気圧プラズマ / 大腸菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,波形重畳型パルスパワー放電法により,(1)重畳波形パラメータ制御(重畳波形電圧,パルス周期,回数),(2)大気圧プラズマ発光分光などによる成長率影響因子の特定,(3)種々の菌類に対する増殖率の関係を評価し,菌類の活性化あるいは不活化を検討することが目的である. 初年度は,重畳波形パラメータ制御(重畳波形電圧,パルス周期,回数)による単一菌の増殖率の評価と大気圧プラズマ発光分光による単一菌培養時の増殖率影響因子の評価を中心に検討を行った,まず,重畳波形パラメータ制御を行うため,電気穿孔過程を積極的に起こすパラメータが十分でないため,パルスパワー電源の改修作業を行った.本改修作業により,本研究の検討に必要なパルス電圧が出力できることが確認できた. 改修した電源を用いて,大腸菌K-12株に対して波形重畳型パルスパワー放電により発生した大気圧プラズマ照射実験とそのプラズマの分光計測実験を行い,増殖率の変化因子を検討するため,大気圧プラズマ発光分光や溶媒の変化などを観測した.その結果,発光分光や溶媒の変化がほとんどないことが明らかとなった.また,菌対数の観測を行うため,吸収分光により観測を行い,コロニーカウント法により菌類の変化の観測を行った.その結果,ナノ秒放電だけでは菌類が不活化することが明らかになったが,副放電を印加することで,菌類の増殖率が回復することが明らかとなった.現在はその原因を明らかにするため,パラメータを変えて評価を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
波形重畳型パルスパワー放電電源の開発は順調に進んだが,大気圧プラズマ発光分光などによる成長率影響因子の特定には至っていない.引き続き菌類の増殖率の影響因子と大気圧プラズマ照射パラメータの関係を評価し,その影響を明らかにする.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の実験結果を踏まえて,大腸菌K-12株以外の有益な菌類に対してプラズマ照射実験を行い,増殖率と大気圧プラズマ照射パラメータの関係を明らかにする.この際に,好気性・嫌気性の関係について着目し,その増殖率に対する影響を明らかにし,選択増殖の可能性を検討する.その後,これらの影響因子を加味して菌類の二種類の菌の同時培養,照射実験を行い,選択増殖プロセスの可能性を明らかにする.
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