2015 Fiscal Year Research-status Report
橋梁の微振動で実用的な発電を行うU字型磁歪式振動発電デバイスの開発
Project/Area Number |
15K13926
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
上野 敏幸 金沢大学, 電子情報学系, 准教授 (30338256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 章夫 金沢大学, 電子情報学系, 教授 (10214785)
深田 宰史 金沢大学, 環境デザイン学系, 准教授 (10313686)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 振動発電 / 橋梁 / 無線センサシステム / 自立電源 / U字構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
橋梁の電池不要モニタリングシステムを実現すべく小加速度で低周波数の橋梁の振動から実用的な発電を行う技術に関して研究を行っている。今年度は、U字型の発電デバイスを提案し、この効果に関する実験的な原理検証を行った。U字型は錘が付く自由端が固定端近くにあることで、減衰の原因となる固定端損失を低減できる効果があると考えられる。この予備実験として、U字型の構造体について、固定端と自由端の長さをパラーメタとした部材の自由振動を測定したところ、片持ちよりU字構造が振動が持続することがわかった。更に応力解析によりU字の固体端部の応力は小さいことが確認できた。また磁歪板(6×0.5×13mm、Fe-Ga合金)を利用した発電デバイスを試作し、これに共振周波数を下げる振動板を取り付けて特性を測定したところ周波数29Hz(一次共振), 加速度0.18Gの振動で、1Vの電圧、1.6mWの電力が発生、また83の高いQ値を確認した。これよりU字構造による低共振周波数化、高感度化の可能性を実証した。 またこのデバイスの大型化について24×2×52mmの磁歪板(寸法を等尺で4倍)を利用したデバイスの試作も行った。これについて詳細な性能評価は途中だが、簡易的に電圧が発生することを確認し、おおよそ体積倍の発生電力が得られると予想される。またこのデバイスの応用として振動でLEDを点滅させ、この光を遠隔でセンシング、この周波数を検出するモニタリングシステムを作製し、これが機能することを実験により確かめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予想したU字構造の原理、効果について試作実験により実証された。共振周波数は寸法に反比例して減少し、電力は体積に比例することがわかっている。よって大型化による出力向上が予想できる。ただし橋梁の振動は微小で0.1G以下に対応する必要があり、このための創意工夫が求められる。
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Strategy for Future Research Activity |
高感度化のため、以下の方針で研究を進める。 ○2自由度系を利用する。振動増幅機構を振動源とデバイスの間に組み入れることで、感度が大幅に増加した研究が報告されている。この原理を本研究にも適用する。 ○デバイス構造を改良する。コイルの巻き数で高電圧化が可能で有り、これについて新規の構造を創案し、設計、試作を行う。 ○デバイスのフレーム材を現在のSUS430から強度が高くバネ性が高い材質へ変更し、減衰の低減を図る。 大型化については、2mm厚の磁歪板を利用したデバイスを再設計し、これを試作、上記の効果と合わせ、高感度化と出力の増加を同時に図る。
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Causes of Carryover |
購入予定の金額が残額と合わず端数が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品として使用する予定である。
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