2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K13930
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
浪平 隆男 熊本大学, パルスパワー科学研究所, 准教授 (40315289)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ナノ秒 / ピコ秒 / パルス電源 / 高効率 / 放電 / プラズマ |
Outline of Annual Research Achievements |
数百から数十ナノ秒の時間幅を有していたパルス放電に対して、数ナノ秒へと短パルス化することで得られる反応場「ナノ秒パルス放電」は、これまでにその物理・化学的特性が明らかになり、同時に、その省エネルギー性が評価・実証されてきた。そのため、複数の企業による「ナノ秒パルス放電」の実機化検討が始まっており、その研究過程は基礎フェーズを脱し、既に実用化フェーズへ突入していると言える。このような状況下において、本研究では、「ナノ秒パルス放電」に続いて更なる省エネルギー化をもたらす『ピコ秒パルス放電』を形成するためのピコ秒パルス電源を開発する。 先ずは、数ピコ秒の立上り及び立下りを実現するスイッチ開発が必要不可欠であり、平成27年度は、体積放電及び沿面放電、インピーダンス変換線路に関する文献を精査するとともに、その知見をもとに、体積放電と沿面放電を融合させた放電スイッチ、並びに、体積放電とインピーダンス変換線路を融合させた放電スイッチを、設計・製作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、平成27年度中に、設計・製作した放電スイッチに関する一次評価を行う予定であった。しかしながら、その評価には、スイッチ部分のみではなく、パルス形成部分も一体とした評価が必要となり、その設計・製作に想像以上の時間を要したため、一次評価が未実施となった。
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Strategy for Future Research Activity |
既に完成している体積放電と沿面放電を融合させた放電スイッチ、並びに、体積放電とインピーダンス変換線路を融合させた放電スイッチについて、形成される放電の観測結果、及び、放電電圧・電流や放電時インダクタンスの値による一次評価を行う。また、得られた評価が最良であれば、そのままピコ秒パルス電源の設計・製作へ移行し、得られた評価に改善の余地があれば、再度、放電スイッチの設計・製作・評価を遂行する。 なお、平成28年熊本地震により、完成していた2つのスイッチは、実験台より転落し、幾つかの部品が大きく破損していることが、現状、明らかとなっていることを申し添えておく。
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Research Products
(4 results)