2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Vector Magnetic Characteristic Control Technology
Project/Area Number |
15K13931
|
Research Institution | Nippon Bunri University |
Principal Investigator |
榎園 正人 日本文理大学, 工学部, 特任教授 (40136784)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 祐一郎 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (50595436)
佐藤 尊 大分大学, 理工学部, 助教 (90647554)
若林 大輔 日本文理大学, 工学部, 助教 (60748747)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | ベクトル磁気特性 / 制御 / 鉄損 / 磁区超微細分化 / 磁気歪み |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、磁区超微細分化処理技術の特許が確定した(特許第6215673号、「ベクトル磁気特性制御材、および、鉄心」登録日平成29年9月29日)。4種類の方向性電磁鋼板100枚による三相内鉄型模擬変圧器の鉄心による実証実験(東芝の変圧器事業部が担当)のため、λ接合のT接合部の中央部に、ベクトル磁気特性解析によるシミュレーション結果から得た磁束密度ベクトル並びに磁場強度ベクトルのベクトル軌跡分布図、磁束密度ベクトルの圧延方向からの傾き角の大きい領域を選択し、全ての試料鋼板に磁区超微細分化処理を施した。この実機モデルについて、第1号機~第4号機の実証テストの結果、全損失は約8~10%減少した。これは0.5~1%の損失低減を目指す変圧器のトップランナー計画から見ると画期的な数字である。材料の活用技術から照らし合わせて考えれば、更なる損失の低減化が見込める。そのためにも、処理範囲のさらなる厳密な検討を行い、領域20%に拡大し、第5号機~第8号機試作のため、引き続き処理を行う予定である。本研究期間終了後も重要であり、企業との間で研究を遂行する予定である。方向性電磁鋼板の磁区超微細分化処理を評価するため磁気損失―磁束密度ベクトルの圧延方向からの傾き角―磁束密度の三次元散布図を作成し、評価検討がしやすいように工夫し、従来の磁気特性表示の見直しを行った。さらに、磁区超微細分化処理は変圧器にとって低周波電磁騒音の原因となる磁気歪み特性に対する効果を調査した。本研究グループによる磁気歪み特性測定評価は、三軸の歪みゲージによる二次元磁気歪み特性評価測定法に基づく。この測定結果から、磁区超微細分化処理は磁気歪みを約20%減少させることがわかった。今後、実機モデル変圧器に対して騒音測定を行う予定である。
|
Research Products
(108 results)