2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of switchable physical phenomena using dynamical strain effects
Project/Area Number |
15K13958
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
美藤 正樹 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (60315108)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田尻 恭之 福岡大学, 理学部, 助教 (90441740)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 超音波 / 動的ひずみ / 相転移現象 / スイッチング機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
プルシアンブルー系金属錯体化合物に対して超音波を用いた動的歪み効果を観測した。NMR測定で明らかになっている分子内自由度(配位子回転)の周波数と超音波の周波数をマッチイングさせた状態で磁化測定をすることで、スピンクロスオーバー転移による磁化・温度ヒステリシスを大きくすることに成功した。2種類の超音波周波数の実験を比較することで、上記の物理現象を明らかにした。 音波の指向性を利用した効果的な操作を実現するために、縦振動歪み・横振動歪み素子を導入し、縦波・横波印加を伝播するシステムを開発した。この手法は、単結晶試料に対する動的歪み実験に効果的である。また、動的歪み環境下でホール測定を可能にする専用電気測定プローブを開発した。特に、ボンデイング装置の使用が可能になったことで、微小試料の測定が可能になった。 スピン偏極強磁性体(無配向薄膜)の強磁性転移温度が、動的変調によって数十ケルビンレベルで低下した。この効果が、電荷移動の抑圧が原因であるかを確かめるために、動的歪み環境下で電気抵抗・交流磁気測定の同時測定を可能にするシステムを開発した。 キラル磁性体への横磁場印加によるキラルソリトン格子形成が、動的歪みによって人為的に操作できることを明らかにした。動的変調にも二種類の使徒があり、一種の過冷却現象を誘起の為の、“連続的な動的歪み印加”と、あるエネルギー障壁を越えることで相変化を誘起する、“パルス的印加”があることを明らかにした。この成果は、2017年低温国際会議で発表する予定である。 動的歪み実験のノウハウのある技術要素を使用し、非接触電気伝導測定のシステムを構築した。強歪み材の歪み拡散現象の研究に有効であることを明らかにした。
|