2015 Fiscal Year Research-status Report
しきい値電圧自己調整機構を有する超低電圧動作シリコンナノワイヤトランジスタ
Project/Area Number |
15K13967
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平本 俊郎 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (20192718)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | MOSトランジスタ / ナノワイヤトランジスタ / 半導体物性 / 規模集積回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,大規模集積回路(VLSI)の劇的な超低エネルギー化を目指し,超低電圧で動作するナノワイヤトランジスタを実現するための挑戦的基礎研究を行うことである.動作電圧の目標は0.1Vに設定する.このような超低電圧では,デバイスの特性ばらつきにより一般に回路は正常に動作しない.そこで回路の安定動作を狙い,研究代表者が考案した浮遊ゲート構造による「しきい値自己調整機構」を用いる.これは,トランジスタのオン時にしきい値電圧Vthが自動的に下がり,オフ時にVthが自動的に上がる機構である.この機構を次世代デバイスとして有望なナノワイヤ構造に応用する. 今年度は,デバイスシミュレーションにより,本研究で提案するシリコンナノワイヤ構造を有するしきい値自己調整トランジスタの設計し,試作を行った.ナノワイヤ幅は約30nmである.ドレイン電流のゲート電圧依存性を測定すると,ゲート電圧に対してヒステリシスが観測され,しきい値電圧が自己調整されていることを確認した.また,このしきい値電圧自己調整機構は動作電圧0.1Vでも発現していることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
デバイス設計・試作・評価を行い,ナノワイヤトランジスタでしきい値電圧自己調整機構が観測された.研究は順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,試作結果をもとに回路シミュレーションを行い,本提案の有用性を実証する.
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Causes of Carryover |
実験が概ね順調に推移したため,試作費用を抑えることができた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に学会参加等に利用する.
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