2016 Fiscal Year Research-status Report
高精度光飛行時間撮像素子による多重反射を利用した光学印象採得の基礎研究
Project/Area Number |
15K13973
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
安富 啓太 静岡大学, 電子工学研究所, 助教 (50621661)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Time-of-Flight / 距離撮像素子 / 多重反射 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究者は、独自のTime-of-Flight計測方式と高速な電荷変調素子によって、従来よりも高い距離分解能を得られる撮像素子について開発を進めている。本研究は、この高精度距離撮像素子の応用として、光学印象への展開の基礎技術および基礎的検討を目的としている。高い距離分解能を有するTime-of-Flight撮像素子を利用して、多重反射を利用した死角情報を取得することにより、より簡便で高精度なデバイス開発が期待できる。 提案する手法を、より高速化する上では、撮像素子が2次元アレイになっていることが好ましい。しかしながら、現在画素部に用いているラテラル電荷変調素子は負電圧が必要であり、2次元アレイにした場合で高精度化を保つために必須の画素内バッファ回路の面積が大きくなるため、深刻な感度劣化を招く。そこで、両極性ゲートによる負電圧を不要とする新たな変調構造を開発した。両極性ゲートの仕事関数差を利用するもので、テスト画素により負電圧を用いずとも従来の変調素子と同様の性能が得られることがわかった。 また、現有する装置等を用いて反射の予備実験を行ったが、画像取得が困難であった。利用するピコ秒レーザの駆動パワーと反射物の選定が適切でなかったことが原因と考えられる。そこで、高反射率の反射シートを用いて再度実験する予定である。また、必要なレーザパワーを見積もるために光線シミュレーションによるシミュレーションモデルの構築を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験に関しては、予定していた高精度な距離撮像素子の不具合により、本格的な実験環境が遅れている。一方で、素子開発の側面から見て、2次元化に有用な両極性ゲートの電荷変調素子の開発が進められているため、研究全体としては「やや遅れている」に留まっていると判断するため。
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Strategy for Future Research Activity |
現有する装置等を用いて反射の予備実験を行ったが、画像取得が困難であった。利用するピコ秒レーザの駆動パワーと反射物の選定が適切でなかったことが原因と考えられる。そこで、高反射率の反射シートを用いて再度実験する予定である。 また、必要なレーザパワーを見積もるために光線シミュレーションによるシミュレーションモデルの構築を検討する。
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Causes of Carryover |
予定していた撮像素子の不具合により、より実験環境の構築を今年度前半に遅らせたためである。次年度の研究費は実験環境の構築するためには不足していたため、今年度の予算を次年度へ充てることとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
撮像素子を駆動するための予備実験は現有の実験設備(カメラ基板、FPGA基板等)で済ませている。実験環境の構築はこれの再試作であるため、時間として本年度の前半に完了する見込みである。
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Research Products
(4 results)