2015 Fiscal Year Research-status Report
極性反転多層構造の巨大圧電性薄膜を用いたGHz帯高分解能超音波プローブの実現
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15K13974
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
柳谷 隆彦 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (10450652)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 圧電薄膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
極性反転構造の超音波プローブは高次モードで共振し,ハイパワーでの動作、大面積の音波励振に適している.これまで研究代表者はZnOとScAlN薄膜の極性方向制御について報告してきた.そのなかで、イオン照射を行わず成膜した場合(通常のスパッタ),ScAlN薄膜はAl極性,ZnO薄膜はO極性となることを発見している.本研究では、新たにZnO薄膜とScAlN薄膜を別々に成膜するチャンバーを立ち上げ、RFマグネトロンスパッタ法を用いてAl極性ScAlN薄膜,O極性ZnO薄膜を交互に成膜することで極性反転構造形成する実験を行なった。まず成膜条件および成膜装置構成の最適化を行った。単層のScAlNとZnO薄膜をそれぞれ成長させて、その極性をプレステストにより判定した.ロッキングカーブ半値幅がO極性ZnOが1.6º,Al極性ScAlNで2.8ºの良好な配向性を持つ圧電薄膜を得ることできた。ネットワークアナライザにより縦波変換損失も測定し,Masonの等価回路モデルにより得られた理論変換損失との比較した結果、単層のAl極性ScAlNとO極性ZnO薄膜の電気機械結合係数ktはそれぞれ、0.33、0.25と決定され、単結晶に近い良好な値となった。さらに、極性反転2層構造の縦波変換損失曲線の測定では、0.72 GHzで2次モードでの共振を確認した.これらの結果より,Al極性ScAlN/O極性ZnOの極性反転構造で薄膜が成長していることが確認できた.常誘電体薄膜を用いた極性反転プローブの作製とUHF帯2次モード超音波の励振は世界初である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
極性反転構造を用いた薄膜プローブの形成は世界初の成功であり、この成果のIEEE国際会議発表では賞を受賞するなど、計画以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、研究成果を広く発表していくとともに、多層化についも実験を重なる予定である。さらにチタン酸ジルコン酸鉛やチタン酸鉛のエピタキシャル薄膜を用いた極性反転構造についても成長実験を行う予定である。超音波プローブの最適設計についてもシミュレーションおよび、プローブ試作評価も行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
実験の進行状況に伴って、納入が一定期間で劣化する少額の消耗品について注文および納品予定が想定より遅れたため、次年度に購入することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画通り前年度購入予定であった消耗品を購入する。
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