2015 Fiscal Year Research-status Report
フレキシブル基板上の異種材料デバイス混載技術に関する研究
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15K13976
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
東 清一郎 広島大学, 先端物質科学研究科, 教授 (30363047)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | フレキシブルエレクトロニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
メニスカス力を利用して単結晶シリコン層をポリエチレンテレフタレート(PET)基板へ転写した後の低温熱処理により密着性が大幅に向上する理由を明らかにするために、シリコン結晶ATRクリスタルにPET基板を接触させた状態でのFTIR-ATR法により化学結合状態の変化を詳しく調べた。低温熱処理後にSi-O-C結合成分が現れ、PET基板の密着力とSi-O-C結合成分強度との間に明瞭な相関があることが明らかになった。シリコン表面シラノール基の脱水重合反応の進行とともにPET基板側のC-Oへの架橋が形成され、強固なSi-O-C結合による高い密着性が得られることが明らかになった。このことから、本転写法における水はメニスカス力発生による単結晶シリコン層の転写だけでなく、転写シリコン層をPET基板に強固に密着させるという重要な役割を担っていることが分かった。 本転写技術における歩留まり向上策として、中空構造作製における洗浄工程の追加、エッチング液の攪拌による濃度均一化、高精度な温度管理、気泡発生の抑制、について検討および実験をおこなった。また中空構造で単結晶シリコン層を保持しているSiO2柱の形状がイオン注入法により制御できることを見出し、理想的なテーパー形状に形成できることが分かった。単結晶シリコン層とSiO2柱の界面部分が最も細くなるため、転写の際にこの部分から分離する理想的な分離箇所制御が可能となった。これらの改善により99%以上の歩留まり達成に成功し、高い歩留まりが要求される回路動作や多機能デバイスの集積化へと展開する基礎作りができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H27年度はシリコン層とPET基板界面における化学結合状態を明らかにする計画であったが、これは前述の通りFTIR-ATR法によりメカニズムを明らかにし、低温で高い密着性が得られる理由を明確にすることができた。また、H28年度のトランジスタ作製および回路動作に向けて転写歩留まりの向上も達成しており、当初の予定通りに研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
H28年度はこれまでに蓄積した知見と転写プロセスの改善を基に、PET基板上でのトランジスタ動作、更にはトランジスタを集積化して回路動作を目指す。まずはこれまで実績のある比較的大きなチャネルパターンを基本として、トランジスタ単体での動作実証と、動作するトランジスタの数を大幅に増やすことのできるデバイス作製プロセスフローを確立する。CMOS動作の前段階として、NMOSインバータの動作およびそれらを用いた発振回路動作の検証をおこなう。一方で、電子線リソグラフィを用いた微細パターンの作製及び電車を可能にする技術開発を並行して実施する。
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Causes of Carryover |
H27年度は単結晶シリコン層をPET基板へ転写する技術の基礎的な理解と歩留まり向上のためのプロセス改善に重点を置いて研究推進したため、デバイスレベルでの成果が得られるのが年度後半となり、重要な成果の学会発表はH28年度に力を入れていくのが望ましいと判断したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H28年度には国内における薄膜半導体関連の会議や、国際会議において本研究の成果を広く発信する計画であり、繰越した経費は学会発表に係る旅費および参加費として使用する計画である。
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Research Products
(7 results)