2015 Fiscal Year Research-status Report
立体湾曲シリコン細線導波路の光伝搬制御に関する研究
Project/Area Number |
15K13983
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
吉田 知也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 電子光技術研究部門, 主任研究員 (80462844)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | エレファントカプラ / シリコン細線導波路 / 立体湾曲シリコン導波路 / イオン注入 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、シリコン導波路と光ファイバーや発光・受光素子との高効率で実装性に優れた光結合の実現を目指し、申請者独自の立体湾曲シリコン導波路(エレファントカプラ)技術を活用し、光学特性に優れた表面出射型のシリコン光結合器の創生を行う。本年度は、2年計画の第1年度として、下記の研究を行った。 エレファントカプラとシングルモード光ファイバーを高効率に光結合するためには、スポットサイズ拡大構造をエレファントカプラに組込む必要がある。そこで、テーパー構造を形成したシリコン導波路を立体湾曲加工する手法を検討した。実デバイスの作製を行い、エレファントカプラに組込まれたテーパー構造がスポットサイズを拡大することを明らかにした。 テーパー構造の付加によりスポットサイズを拡大したエレファントカプラで高効率光結合器を実現するためには、垂直方向に効率よく光を導く構造が必要になる。そこで、SiO2によるセカンドコア構造で効率向上を図る手法を検討した。ファーフィールドパターンの測定を行い、セカンドコア構造が結合効率向上に寄与することを明らかにした。 エレファントカプラの光結合評価を行うためには、ウェハの表面から光ファイバー等をアプローチできる測定系の構築が必要になる。そこでアクティブアライメントによる評価系の構築を検討した。実際に測定系を構築し、垂直方向からアクセスするレンズ付光ファイバーとの結合実験を実施した。 上記の成果を元に、エレファントカプラとレンズ付光ファイバーの結合実験を実施した結果、広帯域で平坦な波長特性の低結合損失(約2dB)を達成した。更に光ファイバーの結合角度依存性が小さいことも確認し、従来の回折格子型カプラでは達成が困難な画期的技術であることを実証した。本成果は第41回欧州光通信国際会議(ECOC2015)でポストデッドライン論文としてトップ採択され、国際的に大きな注目を集めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
綿密な計画を立てて研究を推進しているので、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までほぼ計画通りに進行しているので、特に研究計画の変更は考えていない。
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Research Products
(6 results)