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2015 Fiscal Year Research-status Report

シャノン限界を超える物理暗号の光ファイバ通信

Research Project

Project/Area Number 15K13991
Research InstitutionTamagawa University

Principal Investigator

二見 史生  玉川大学, 量子情報科学研究所, 教授 (20417695)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 相馬 正宜  玉川大学, 工学部, 教授 (70384716)
Project Period (FY) 2015-04-01 – 2017-03-31
Keywords暗号学シャノン限界超越 / 一般化物理暗号
Outline of Annual Research Achievements

本研究では,暗号学の基本的な限界であるシャノン限界を超越可能な物理暗号を実現し,その暗号通信応用を検証することを目的としている。検証に向け,物理暗号用の送信器・受信器,通信方式,および光ファイバ通信実験の3つの研究テーマを設定した。平成27年度は,目標達成に向け,物理暗号用の送信器・受信器,および,通信方式について研究を推進した。以下に,その概要を示す。
計画通り,物理暗号用の送信器・受信器に関しては,求められる変調帯域,駆動回路などの要件を検討し,一般化コヒーレント・パルス位置変調を用いても,大容量通信を実現できる条件を導出した。更に,送信器・受信器を実現するための光回路部品や駆動回路用電子部品を設計した。通信方式については,一般化コヒーレント・パルス位置変調信号光が光ファイバ内を伝搬する特性を解析するためのシミュレーションモデルを構築した。次に,シミュレーションモデルを数値解析するシミュレータを立ち上げた。この数値解析シミュレータを用いて光ファイバ伝送後の信号光の符号誤り率特性,時間波形,光スペクトル,RFスペクトルなどを解析し,長距離伝送に適した光ファイバの群速度分散,非線形係数,伝搬損失などのパラメータや,伝送路に設置する光ファイバ増幅器の利得,雑音指数などのパラメータを検討した。その結果,実際に実証可能なパラメータを導くことができ,シミュレーションでは100km以上の長距離伝送を実現できることが分かった。
以上の成果は,次年度の研究開発を推進する為に重要であるばかりでなく,シャノン限界を超える一般化物理暗号の通信応用の研究進展に大きく寄与する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

暗号学の基本的な限界であるシャノン限界は暗号鍵に関する限界で,暗号化する情報と同量の暗号鍵が必要になる。数理暗号では,このシャノン限界を超越することができない。インターネットの発展などを背景に通信情報量が飛躍的に増大している今日,大量の暗号鍵が必要になり,暗号鍵の生成および管理が困難になることが予想される。そこで,本研究では,暗号学におけるシャノン限界を超越可能な物理暗号,即ち,暗号鍵の量よりも多くの情報量を暗号化できる物理暗号を実現し,その暗号通信応用の検証に挑戦している。具体的には,次の目標を掲げている。
1.物理暗号用の送信器・受信器の構築および検証
2.光ファイバ通信への適用方法の検討
3.光ファイバ通信回線における実験検証
本研究目的を達成するためのステップとして,平成27年度では,次の二つの研究テーマに取り組んだ。1.大容量光ファイバ通信を可能とする物理暗号用の送信器・受信器に求められる帯域などの特性の調査,およびそれらを実現するための光回路部品,電子回路部品の選定,送信器・受信器駆動回路の設計,2.物理暗号の信号光が通信用光ファイバ内でどのように伝搬するかを数値解析するシミュレータを構築し光ファイバ通信方式を検討すると共に実現可能な光ファイバ通信回線のパラメータ抽出。
平成27年度の成果は,「研究実績の概要」に記述した通りで,1,2 共に,当初の予定通り進展している。

Strategy for Future Research Activity

平成27年度は当初の計画通り進展した。平成28年度は,当初の計画通り,次の二つの研究テーマを設定し,研究を実施する。
1.送信器・受信器の実験検証:
平成27年度に設計した送信器・受信器を構成する部材を調達し,送信器,受信器を作製する.次に,これらの動作試験として,帯域や感度など特性を実験評価する。更に,送信器・受信器を対向の状態で接続した光ファイバ伝送のない構成で,通信特性を調査する。具体的には,まず,変調器など各光部品レベルでの動作検証および特性評価を行う。その後,駆動用電子回路を作製する。作製した駆動用電子回路と各光部品を結合し,送信器・受信器それぞれの動作検証並びに特性評価を行う。
2.光ファイバ通信実験:
まずは,長距離伝送実験を実施するために,無中継伝送路ではなく,光ファイバ伝送により光パワーが減衰した信号光を光のまま増幅して中継する光ファイバ増幅器と光ファイバを接続した光ファイバ伝送路を整備する。次に,先だって作製し,実験検証した送信器・受信器を組み込み,光ファイバ通信実験用の光ファイバ通信回線を完成させ,群速度分散,非線形係数,伝搬損失など光ファイバ通信回線のパラメータを実験測定する。その後,伝送距離,郡速度分散,光ファイバ増幅器による中継数や中継間隔距離など,各種光ファイバ通信回線のパラメータを変化させて,伝送距離100 km以上の暗号通信を可能とするパラメータ抽出を目指す。

  • Research Products

    (3 results)

All 2016 2015

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Cut-off Rate for ASK signal states2015

    • Author(s)
      Masaki Sohma
    • Journal Title

      Tamagawa University Quantum ICT Research Institute Bulletin

      Volume: 5 Pages: 29-31

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] Y-00光通信量子暗号とその応用 シャノン限界を超える物理暗号通信に向けて2016

    • Author(s)
      二見史生
    • Organizer
      第14回量子情報ミニワークショップ
    • Place of Presentation
      木もれび(滋賀県大津市)
    • Year and Date
      2016-01-10
  • [Presentation] Cut-off Rate for Quantum Gaussian Channels2016

    • Author(s)
      相馬正宜
    • Organizer
      第14回量子情報ミニワークショップ
    • Place of Presentation
      木もれび(滋賀県大津市)
    • Year and Date
      2016-01-09

URL: 

Published: 2017-01-06  

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