2015 Fiscal Year Research-status Report
大量の低信頼エージェントによる超分散制御系の設計理論とその災害地調査への応用
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15K14006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永原 正章 京都大学, 情報学研究科, 講師 (90362582)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 分散制御 / マルチエージェントシステム / 適応制御 / 伝染病拡散モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
大量の低信頼エージェントによる超分散制御系の設計理論とその災害地調査への応用に関して,マルチエージェントシステムの制御に関する研究に取り組み,フィードバックゲインを適応的に変動させる新しい方法を提案し,国内学会にて発表した.また,超分散制御を応用した伝染病の感染メカニズムのモデル化とその制御に関する研究を行い,国際学会にて発表した.これらに加えて,関連する研究が学術論文5件および査読付き国際会議論文6件として発表された.
また,分散制御(マルチエージェントシステムの制御)の基礎に関する教科書を執筆し,コロナ社より発刊された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当該年度の研究計画である確率的な外乱が生じるもとでの合成制御の研究に関しては,外乱が存在するときに従来のフィードバックゲインが固定されている合意制御則では合意が達成されないことを発見し,適応的なフィードバックゲインを考察した.合意が達成されるための適応フィードバックゲインが満たすべき条件を明らかにし,計算機シミュレーションにより有効性を研究した.これらの成果は,国内学会にて発表され,さらに国際会議論文としてまとめられ,現在投稿中である.さらに,適応フィードバックゲインを用いれば,合意制御における収束を高速化できることもわかった.
また,超分散制御の応用として,伝染病の拡散モデルの導出およびその制御法に関する研究も行い,国際会議論文として発表された.
以上の成果により,当初の計画以上に研究は進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
適応フィードバックゲインを用いた合意制御に関する成果をもとに,適応フィードバックゲインを用いた被覆制御を検討する.また,それらの制御法にもとづいた人命探索を模した実機実験を行う.具体的には,以下の研究を計画する. 1. 超分散制御系の被覆制御 超分散制御系を災害地域の人命探索や状況調査に応用するためには,マルチエージェントシステムにおける被覆制御を考察する必要がある.ここでは,前年度で得られた合意制御の知見にもとづき,超分散制御系の被覆制御を定式化し,シミュレーションにより有効性を検証する. 2. 小型群ロボットによる超分散制御系の検証実験 上記の理論的研究成果にもとづき,小型群ロボットを複数台用い,超分散制御系の被覆制御を用いた災害地域における人命探索を模した実機実験を行う.なお,多数の群ロボットによる分散制御の実験では,無線通信でのパケットロスや遅延などにより,実験がうまくいかない可能性がある.そのような場合は,通信の影響を考慮したシミュレーションを実行し,試行錯誤的に制御則を調整することとする.
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Causes of Carryover |
当該年度において予定していた実験機器の購入について,所属機関の異動があり翌年度に持ち越した.ただし,研究計画では実験機器の使用は翌年度であり,大きな問題は生じない.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越した750,000円は実験機器(マイクロ群ロボットおよび制御用計算機)の購入に充て,前年度に予定していた実験機器の立ち上げを今年度初頭に行う.
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Research Products
(23 results)
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[Presentation] 合意制御と分散最適化2016
Author(s)
永原
Organizer
2016年1月電子情報通信学会信号処理研究会
Place of Presentation
関西学院大学大阪梅田キャンパス(大阪府・大阪市)
Year and Date
2016-01-18
Invited
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