2015 Fiscal Year Research-status Report
レアメタル回収後残渣を安全な建設資材に:環境安全性に配慮した再資源化への挑戦
Project/Area Number |
15K14010
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久田 真 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80238295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
皆川 浩 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10431537)
椎名 貴快 西松建設株式会社(技術研究所), 土木技術グループ, 副課長 (10511371)
宮本 慎太郎 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60709723)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | レアメタル回収後残渣 / 外観観察 / 建設材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
鉱山や製品からレアメタルを回収する場合には残渣が生じる.通常,残渣は産業廃棄物として処理されるため,最終処分場の寿命に影響を及ぼすことが予想される.レアメタルの回収には必ず残渣が生じるものであり,レアメタル回収技術が確立され,これが積極的に行われるようになると,レアメタル回収後残差の発生量等が問題視される.本研究は,レアメタル回収時の残渣を産業副産物として建設分野に適用することが目的である. 今年度は,レアメタル回収後残渣のうち,リチウム電池破砕残渣(以下,破砕残渣)と太陽光パネル等由来の破砕ガラス(以下,破砕ガラス)をマイクロスコープにより観察した.破砕残渣については,破砕ガラスと比較して粒径が非常に小さいため,コンクリート用細骨材としての使用は不向きであると考えられる.一方で,破砕ガラスについては,粒径が多様であることから,粒度調整を行うことで,コンクリート用細骨材として使用できる可能性が考えられる. ここで,破砕ガラスは一般的にシリカが多く含まれている可能性が高い.この場合,破砕ガラスのガラス化率が高い場合には,コンクリート内部において化学反応が生じ,コンクリートの中で最も脆弱な部分の一つとされているセメント‐骨材間の界面(遷移帯とも呼ばれる)部分が改質される効果が期待できる.以上の考察に基づくならば,破砕ガラスのコンクリート中における反応性についても検討していくことで,単純な細骨材の代替材のみならず,さらなる価値を付加した新材料として提案できる可能性も期待できると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レアメタル回収後残渣の入手に成功し,その性状を確認できたことから,研究計画と比較しておおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,レアメタル回収後残渣の化学組成やガラス化率を測定することで,建設材料として使用したときの反応性について検討をする予定である.また,自動車に用いられている排ガスフィルターについても建設材料としての利用価値を検討する予定である.さらには,実際にコンクリート用細骨材として使用し,物質移動抵抗性などについても検討する予定である.
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