2015 Fiscal Year Research-status Report
小孔内部応力測定によるPC部材に作用するプレストレスの評価技術の提案
Project/Area Number |
15K14021
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三木 朋広 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30401540)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | PC部材 / 残存プレストレス / 弾性厚肉円筒理論 / 微破壊試験 / 画像解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、プレストレストコンクリート(PC)部材に導入されているプレストレスを現場において低コストで簡易に実施可能な評価技術の提案を目指す。本手法で用いるジャッキの形状ならびに加圧機構のプロトタイプの設計はすでに完了していたので、本年度は開発した装置を用いた要素レベルの検証、装置の改良、ならびに適用範囲の拡大することを試みた。検討により得られた成果は以下の通りである。 成果(1) 普通強度ならびに超高強度のモルタル供試体を用いた要素レベルの検証において、ゲージ長10mmもしくは20mmのひずみゲージを用いた計測で、円孔の直径が10mm,ならびに20mmの場合に円孔周辺の応力集中によるひずみ分布を計測できることがわかった。 成果(2) 上記の条件において、弾性厚肉円筒理論を用いることによって、作用応力の測定誤差を約8%以下で計測できることに成功した。 成果(3) 実条件に近いコンクリート供試体を用いた検証において、応力分布を一様とした載荷と偏心させた載荷の結果から、本手法によって応力分布によらず計測できることを確認した。また画像解析によって、円孔周辺のひずみ分布の概形は計測できるものの、精度の高い応力推定は現状では困難であることがわかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標であった「開発した装置を用いた要素レベルの検証、装置の改良、ならびに適用範囲の拡大」はほぼ計画通り達成することができた。得られた結果のうち、先行した成果をまとめた論文をJCI年次論文集に投稿することができた。また、関連研究の「ASRが生じたコンクリートの空間的ひび割れ状態の把握に関する基礎的研究,」について、土木学会平成27年度全国大会第70回年次学術講演会優秀講演者を受賞しており、その内容について評価を受けている。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、申請計画のとおり本手法の「部材レベルにおける検証」を行う。実橋に近い応力勾配を再現した供試体を対象として、本手法の実験検証を行うとともに、有限要素解析によって、作用応力の分布の影響を検証するとともに、要素試験において見られた境界条件の影響や作用応力の不均一性の影響を解析的に感度分析する。
|
Causes of Carryover |
物品費、旅費はそれぞれほぼ当初の予定通り執行したが、物品費のうち、供試体作成費ならびにひずみゲージ購入費について、実験計画に即して使用材料等の使用量を最適化した結果、若干費用を抑えることができたため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度の研究成果を広く発表していくために、国内旅費について若干増額し予算執行していく予定である。
|