2015 Fiscal Year Research-status Report
最大速度空間変化率による地震時地盤ひずみ評価法の理論的解釈
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15K14022
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鍬田 泰子 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50379335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 純男 京都大学, 防災研究所, 教授 (70187293)
後藤 浩之 京都大学, 防災研究所, 准教授 (70452323)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 地盤ひずみ / 最大速度 / 不整形地盤 / 応答解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
地震時における地中管路の挙動は周辺地盤の挙動に追随するため、それらの耐震性を検討するには、地震時の地盤変状や地盤ひずみを精度良く評価することが重要となる。耐震設計では水平成層地盤の地盤ひずみの算定を行うが、実際は不整形地盤であることが多く、不整形地盤上の地盤ひずみは解析等をしなければ容易に算出できない。最新の研究で地盤ひずみの代替指標として地表最大速度(PGV)の空間変化率であるPGV gradientが実管路被害と良い相関があることが統計分析から示されたがその理論的根拠は不明である。 そこで、本研究では、地表最大速度の空間変化率である新たな指標、PGV gradientと地盤ひずみとの関係について理論的根拠があることを明らかにするとともに、入力波の周波数特性に応じた不整形地盤上のPGV gradientと地盤ひずみの空間的分布形状の類似性を数値解析によって示すことを試みた。 単純な成層構造の地盤を想定して議論を進め、地盤ひずみとPGV gradientは、それぞれ地盤応答関数を導入することで表記できることを示した。さらに、限定的な仮定的を置いた上でPGV gradient と地盤ひずみが、地盤応答関数に関連づけられ、入力周波数の条件によって、それらの空間的な分布形状が類似することを明らかにした。 さらに、これらの理論的解釈を補完するために、有限要素法を用いて二次元地盤モデルの数値計算を行い、解析結果から地盤ひずみとPGV gradientの空間分布の特性を、周波数や波数など入力波による影響、不整形地盤モデルによる影響を変化させながら確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り進捗しているため
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Strategy for Future Research Activity |
理論解として誘導される地盤ひずみとPGV gradientは弾性地盤の解であるが、地中埋設管が被害を受けるような強震動時の地盤ひずみでは地盤は塑性領域にある。今後、解析プログラムの改良を行い、非線形地盤応答解析を実施する。そして、入力地震動レベルに応じた地盤ひずみとPGV gradientとの関係がどの程度類似性が維持されるのかについて検証する。
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Causes of Carryover |
英文論文を執筆中でその校正費用として残していたが、年度内に論文が完成できなかったために執行が遅れた。また、研究分担者の執行が遅れた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度には、執筆中の論文を完成させて英文校正にかける予定である。
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