2017 Fiscal Year Annual Research Report
Modeling of surface flow and infiltration branching characteristics due to snow melting and rainfall considering snow cover and vegetation change
Project/Area Number |
15K14026
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石川 達也 北海道大学, 公共政策学連携研究部, 教授 (60359479)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森井 俊廣 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30231640)
所 哲也 苫小牧工業高等専門学校, 創造工学科, 准教授 (40610457)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 地盤工学 / 自然災害 / 土砂災害 / 土壌学 / 植物 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.カラム試験による積雪・植生が地盤内浸透特性に及ぼす影響の検討:積雪・植生の有無に違いのあるカラム試験供試体に対し降雨実験を行った。この結果、植生は、雨水・融雪水の地盤浸透を妨げ含水比上昇を遅延させること、及び植生が地盤表層に低温の融雪水を保持するため、積雪底面からの融雪を遅らせ融雪水の急激な浸透を防ぐことを示した。 2.要素試験による不飽和凍土の浸透特性評価手法の構築:不飽和透水係数~飽和度関係は熱伝導率、電気比抵抗~飽和度関係と相関があるため、比較的容易な試験で取得できる熱伝導率や比抵抗から不飽和透水係数を推定できることを示した。 3.模型実験による積雪・植生を有する斜面の地盤内浸透率に及ぼす傾斜角の影響評価:室内土槽試験に基づき、斜面に沿って下部浸潤が抑制される範囲(領域)である「限界長」が、浸潤フラックス量、斜面傾斜角及び構成土の飽和・不飽和浸透特性に依存することを明らかにした。 4.実物大模型実験による気象条件や雪質が地盤内浸透特性に及ぼす影響の検討:実物大模型実験や長期現地計測を行い、植生の有無による融雪水・雨水の地盤浸透機構の違いについて検討した。この結果、融雪期は常に融雪水が供給され高含水状態が維持されるため、融雪期の降雨は夏期の豪雨に比べて地盤災害リスクを高めること、及び植生は地盤への融雪水・雨水の浸透を抑制するため、融雪期の地盤災害対策に有用であることを示した。 5.積雪・植生の影響を考慮した数値シミュレーションの実施:実物大模型斜面の浸透・崩壊挙動や実道路で発生した融雪期の斜面崩壊現象を、積雪や植生の浸透特性を考慮可能な連成解析型積雪寒冷地斜面安定性評価手法を用いて解析した。この結果、当該解析手法で、斜面内の地温・土壌水分の経時変化や排水溝の閉塞に伴う雨水・融雪水の越流が引き起こした実道路の斜面崩壊現象を再現可能なことを示し、その実用性を検証した。
|