2016 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of the driftwoods hazard risks by its generation potential in overall watershed area from woods through rivers to sea
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15K14042
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
矢野 真一郎 九州大学, 工学研究院, 教授 (80274489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠間 清伸 九州大学, 工学研究院, 准教授 (10315111)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 流木 / 河川災害 / 災害リスク / 流域圏 / 流木発生ポテンシャル / 気候変動適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度開発した流木発生ポテンシャル概念に基づく流木リスク評価手法を用いて,山国川上中流域,球磨川中流域,白川全流域について流木リスク評価を試みた.モデルの改良として,砂防ダム,貯水ダム,石橋,沈下橋の評価方法を組み込んだ.白川流域については,平成28年4月熊本地震による斜面崩壊に伴う流木リスク評価も行い,豪雨と地震の複合災害に伴う流木リスクの評価を試みた.さらに,温暖化後の降雨パターン変化に伴う斜面崩壊頻度や崩壊エリアの拡大の影響を加味した流木リスク評価手法の改良を試みた.既存モデルでは,崩壊斜面として斜面の最大傾斜角,崩壊土砂の最大到達距離の経験的評価式に基づく斜面と河道との距離的関係の2つのパラメータのみで評価していたが,改良モデルでは,改良H-SLIDER法により斜面の地質情報をパラメータとして降雨継続時間による表層崩壊発生危険定常降雨強度を評価することで,降雨強度が変化した場合の流木リスクへの影響評価を花月川流域で試みた. 山国川における検討の結果,貯水ダムである耶馬溪ダムでは全体の14%程度の流木カット効果があり,砂防ダムは現状の配置において最大で全体の14%のカット効果が見積もられた.堆砂状況や透過・不透過の形式の違いに起因して最大効果を発揮できない場合でも,2,3割の捕捉が実現できれば最大効果の6~7割程度の効果が発揮できることも示された.また,1割程度である透過型砂防ダムの捕捉効果を向上させることで,全体の流木リスク低減へ寄与できることも明らかとなった.球磨川の検討より球磨川第二橋梁の流木リスク管理の重要性が,白川の検討より地震のみによる流木リスクの発生が存在し,複合的外力の評価の重要性が示された.さらに,改良モデルを適用した花月川の検討から,温暖化後に想定される降雨強度(平成24年九州北部豪雨の1.3倍)により流木リスクが2倍程度になると見込まれた.
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Research Products
(10 results)