2016 Fiscal Year Annual Research Report
Spatial frequency analysis of industrial agglomeration patterns
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15K14044
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
赤松 隆 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (90262964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 雄貴 金沢大学, 環境デザイン学系, 准教授 (90612648)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 土木計画 / 立地 / 産業 / 空間周期 / 集積経済 |
Outline of Annual Research Achievements |
都市・産業の集積現象には中心地規則性と呼ばれる頑健な統計的規則性が成立している.この統計的規則性が成立するメカニズムの全貌は未だ解明されていないが,その鍵を握るのは,各産業の集積立地間隔(都市間距離)や産業間の立地同期性といった空間的規則性である. 本研究の目的は,産業立地の複雑な地理的パターン(多数の都市における多数産業の様々な規模の集積)情報から,その空間的規則性を系統的に分類/定量的に特徴づける方法を提示することである.具体的には,地理的空間をグラフとして表現し,産業立地パターン情報をそのグラフ上の入力とする信号処理法によって,各産業の立地パターンの空間的規則性を明確に表す各種指標(「空間周波数」等)を頑健に抽出しうる方法を開発する.より具体的には,(1)「均質な空間」における立地パターンに対する規則性抽出法を開発するフェイズ,および,(2)その解析法を「不均質な空間」に拡張するフェイズから構成される.(1)のフェイズでは,まず,1次元均質空間において,離散フーリエ変換をベースに,集積経済を考慮した各種空間経済モデルによる均衡立地パターンを入力パターンとしたときに,「空間周波数」等の特徴量(産業立地パターンの規則性)が明瞭に現れる方法を開発した.次に,2次元均質(格子)空間において,同様の分析が可能となる手法を開発した.さらに,その研究過程で,当初の研究計画では想定していなかった新たな発見として,従来研究で提案されてきた集積経済モデルが,モデルで表現しうる集積・分散パターンに応じて,2つのクラスに集約されることを明らかにした.(2)では,日本・アメリカ・ドイツにおける実際の都市の(不均質な)立地パターンを対象として,群論的分岐理論に基づく基底ベクトルを基に格子サイズを調整し,立地パターンの空間周波数を抽出しうる方法を開発した.
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