2015 Fiscal Year Research-status Report
地域包括ケアシステム構築を目指すエリアマネジメントのための国保データベースの活用
Project/Area Number |
15K14046
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高山 純一 金沢大学, 環境デザイン学系, 教授 (90126590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須釜 淳子 金沢大学, 保健学系, 教授 (00203307)
西野 達也 金沢大学, 環境デザイン学系, 准教授 (90403584)
藤生 慎 金沢大学, 環境デザイン学系, 助教 (90708124)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 国保データベース / 後期高齢者 / 健康寿命 / 要介護認定者 / 医療費 / 災害時要援護者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究は、(1)国保データベースの分析による社会保障費抑制のための要因分析を行うとともに、(2)後期高齢者の日常生活行動を分析し、健康生活の秘訣(長寿命化のメカニズムの解明)を明らかにすることを目指すモノであり、今年度は研究初年度となるため、富山県南砺市、ならびに石川県小松市をフィールドとして調査研究を行った。 具体的には、小松市の年齢階層別後期高齢者の国保データベースをもとに、高額医療費を使っている地区(小学校区、あるいは中学校区)とそうではない地区(健康老人の多い地区)、介護保険の多頻度使用者が多い地区とそうではない元気老人が多い地区に分けて、地区別(地域別)の特性分析を行った。不健康老人の多い地区と健康老人の多い地区、健康長寿地区と不健康地区の特性については、すべて明らかになったわけではないが、大まかに、鉄道(電車)利用者が多いと要介護者の比率が少ないこと、通勤に自転車を利用する人が多い地区も要介護者比率が低いことが明らかとなった。 なお、高齢者を対象としたアクティビティ調査については、まだ実施できていないので、次年度、それぞれ特徴的な地区を抽出して実施したい。その結果をもとに、交通利便性評価を行い、健康長寿度との関連性分析を行いたい。さらに、高齢者の食生活についても、その実態調査を行い、健康長寿度との関連性分析を行う予定である。 また、富山県南砺市の国民健康保険データベース(KDB)データを用いて,医療費,災害時要援護者に関する研究を行った.災害時要援護者に関する研究では,透析を要する患者が病院の周辺に居住しておらず,災害時に水の供給が絶たれた際の対応が必要であることが明らかとなった.さらに,要介護認定が3以上の高齢者も市内全域に散在しており,災害時の避難所等においては配慮が必要であることが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的としていた年齢階層別後期高齢者国保データベースに基づく不健康地区と健康地区の区分、介護保険の多頻度使用者が多い地区とそうではない元気老人が多い地区の区分ができたこと、また、その地区特性の要因分析が大まかにできたと考えているため。
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Strategy for Future Research Activity |
不健康地区と健康地区の区分、介護老人地区と元気老人地区の区分ができたので、その地区特性の要因分析をさらに詳細に詰めていきたいと考えている。具体的には、高齢者を対象としたアクティビティ調査(それぞれ特徴的な地区においてアンケート調査)を実施する予定である。また、高齢者の食生活についても、実態調査を行う予定である。 また、平成27年度は小松市、南砺市を対象に分析を行ったが、次年度はさらに対象「市・町」を増やして分析を進めたいと考えている。
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Causes of Carryover |
当初予定していた高齢者を対象としたアクティビティ調査、食生活調査を実施することができなかったので、アンケートの配布、回収、集計分析等として予定していた「その他」、「人件費・謝金」の予算が残ってしまった。 また、当初予定では、小松市、南砺市以外にも、珠洲市、七尾市等の自治体を対象として調査分析を行う予定であったが、国保データの提供が得られなかったので、データ保管用のUSBやHDDの購入費用が余ってしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、上記やり残したアンケート調査(アクティビティ調査、食生活調査等)を行い、集計、分析を進める予定である。 また、次年度は珠洲市、七尾市ではないが、羽咋市、鳩山町(埼玉県)から、国保データ分析用のデータ提供の予定があるので、新たにUSB、HDDの購入を行いたい。
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