2015 Fiscal Year Research-status Report
鉄還元細菌とフェントン反応を用いた難分解性汚泥の高度嫌気性消化・資源化プロセス
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15K14059
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
安井 英斉 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (70515329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺嶋 光春 北九州市立大学, 国際環境工学部, 講師 (60706969)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | メタン発酵プロセス / 前処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
F県K市の下水処理施設から採取した嫌気性消化汚泥を植種源と供試汚泥にそれぞれ用い、フェントン処理を供試汚泥に施してリアクタ(有効容積 9L)に添加した連続実験をおこなった。汚泥VSS単位重量あたり10%の過酸化水素添加をフェントン処理の条件とし、鉄イオンを理論当量よりも充分に多く加えた。運転においてはリアクタの汚泥を遠心分離し、その上澄液を排出することでリアクタの汚泥濃度を高めた。 リアクタに投入するフェントン処理嫌気性消化汚泥の濃度をおよそ12,000 mgVSS/Lに調整し、リアクタの水理学的滞留時間を75日に設定した条件で200日の連続実験をおこなった。 また、反応の収支を把握するために、リアクタから排出される液成分のTVSとバイオガスのメタンをそれぞれ計測し、一定の換算係数を乗じてCOD基準の物質収支を得た。 連続運転の経過とともにリアクタ内の汚泥濃度は次第に上昇し、約200日目にはVSS換算で30 g/Lほどに達した。VSSの蓄積に対応してフェントン処理汚泥の分解が徐々に進行するようであり、リアクタ内のVSS濃度の増加は連続実験の経過に従って緩やかになった。COD基準の物質収支(投入/排出の比)は約0.9-1.1程度であり、かなり精度の高い分析結果が得られた。本リアクタにおいてバイオガスに分解した嫌気性消化汚泥は、投入CODの約15%に相当しており、フェントン処理によって嫌気性消化汚泥が生物分解される成分に転換することを確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生物反応の残渣で不活性な有機性固形物である嫌気性消化汚泥から一定のバイオガスを回収することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
COD基準の回収率(有機性固形物の分解率)はまだ15%ほどに留まるため、フェントン処理の条件を変えて分解の促進を次年度に検討する。
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Causes of Carryover |
本年度におこなった実験条件ではリアクタのレスポンスがかなりゆっくりしており、その安定状態を見極めることに時間を要したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
複数の装置を用いることでデータの取得を加速化する。
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