2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of building material having water movement sensing function
Project/Area Number |
15K14062
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
藤本 郷史 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 准教授 (30467766)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | インピーダンス / モニタリング / コンクリート / センサ / 水分移動 / 既存建築物 / 含水率 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,水分移動センシング機能を有する建築材料の開発を目的とした.電子回路を内蔵するセンサでは寿命が短いなどの弱点があることを踏まえ,本提案研究では,センシング機能を建築材料自体に付与する技術開発により,この課題の解決を目指した. 最終年度までに不具合事例分析に基づくセンシングの制約条件の分析(申請計画A-1)に基づいて,水分移動現象を再現する実験システム(計画A-2)を構築した。具体的には,表面の水膜・流下,ひびわれへの流入,含水率(乾燥・蒸発)などを再現する実験系を構築した。実験系の構築によって水分移動現象におけるいくつかの特徴な現象をとらえ,これを説明するモデルを構築した。さらに,これらの水分移動現象と浮遊静電容量を含む交流インピーダンスとの対応を実験的に把握することで,センシング機能付与を検討した(計画A-2)。その結果,材料の表面にある水膜の存在を浮遊静電容量の変化から検知できることを示した。さらに,これを定量的な検知とするための補正技術として,交流インピーダンス計測における含水率・温度と対応における交互作用モデル,水和進行と含水率の等価回路識別法などの成果・基礎知見を得た。また,センシング機能付与条件下における温冷繰返し等のデータの繰返再現性も分析した(計画A-3)。力学的な強度低下については,センシング付与材料の大スケール化の遅延のため分析に至らなかった。以上の分析を基に,維持管理の在り方について,特に既存実建築物への適用性を分析して,計測システムを提案した(計画B-1)上記A-2の成果に基づいて多点計測(流れの検知や大きなスケールでの計測)も実験した。浮遊静電容量による水膜の検知・流れの検知についてはうまくゆかなかった。(計画B-2,C-1,C-2)含水率分布については実建築物へ適用できるモデルを期間を延長して開発を終えたが適用にまで至らなかった。
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