2015 Fiscal Year Research-status Report
自然界の流体が作る形に基づく空間構造の耐風性と形態創生
Project/Area Number |
15K14067
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
朝山 秀一 東京電機大学, 未来科学部, 教授 (50120100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前 稔文 大分工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90318171)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 構造デザイン / 流体解析 / 耐風性 / 構造形態創生 / 風紋 / 河床変動理論 / ラチスシェル / 空間構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究費により、ワークステーション型コンピュータ(HP社 Z230SFF)と流体解析ソフトウェア(FINE/Open with Labs)を購入し、インストールとシステム調整をして東京電機大学建築学科情報・設計工学研究室に設置した。汎用流体解析ブログラムを使用する場合、講習会は必要不可欠なため、ベンダーのNUMECAジャパンの協力を得て2日間実施し、研究代表者、大学院生1名、学部学生2名が参加した。 オペレーションに関する基本技術を習得した後、別途研究「自然地形の形成理論に基づく空間構造形態の生成(課題番号24656328)」で開発した一方向風による風紋と半周期分の正弦波で近似した砂丘を組合わせた形態について、流体解析を試みた。このモデルは60m×60mの平面と最高高さ15.82mを持ち、正弦波で近似した砂丘部分の最高高さは14.8mである。比較するためのアーチ構造は同様な平面に対して頂部の高さは14.8mとした。解析における風速は30m/sで、風向はx,y方向それぞれを想定した。いずれの方向においても負圧が大きくなる傾向を示したが、x方向において前者の風圧力は、後者アーチの1.75倍となり、y方向では、0.94倍となった。現時点では解析時のメッシュ分割の妥当性などをさらに検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
汎用流体解析プログラムの操作は、複雑で習得するのに時間を費やしてしまい、研究の進捗状況に遅れが生じた。また、このプログラムを学外の大分高等専門学校からアクセスする方法についても技術的な解決方法を見出していない。この2つの原因が研究の進行を遅れさせているものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の汎用流体解析プログラムのオペレーションで習得した構造のモデル化と解析に関するノウハウを、本研究のテーマと同じ構造体を例題にして、詳しく理解できるマニュアルを作成している。これにより、今後、効率的に研究対象構造のモデル化と解析ができるものと考えられる。また、ソフトウェア供給先のベンダーには、引き続きオペレーションのサポート体制を継続することを依頼、承諾を得た。 また、遠隔地からの解析ソフトウェアのオペレーションについては、ネットワークの専門家と相談する予定である。
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Causes of Carryover |
汎用流体解析プログラムのオペレーションの習得に時間を費やしてしまい、さらにそのプログラムを学外から操作する方法が解決していないため、研究が予想よりも遅れている。このことが原因となり、学生に謝金を支払いデータ処理を大量に行う段階に到達していないことが、次年度使用金額が生じた主な理由である。また、打ち合わせ、発表用の旅費についても同様である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
汎用流体解析プログラムのオペレーションに関して、本研究に沿った平易なマニュアルを作成しており、ネットワークの専門家と相談することで学外からの解析システムの利用を可能にして研究の進展速度を上げることで、次年度は本格的なデータ処理に謝金を使い、成果の発表に旅費を使える状況にすることを計画している。
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