2015 Fiscal Year Research-status Report
数値流体解析による建築物の通風換気に対する都市内非定常・非一様気流場の影響評価
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15K14078
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
池谷 直樹 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 助教 (70628213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷本 潤 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (60227238)
萩島 理 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (60294980)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 都市キャノピー / 数値計算 / 室内換気 / 都市乱流 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度における研究計画として,(1)無開口模型を対象としたLarge-eddy simulationによる粗度周辺気流と対象粗度の壁面風圧の関係の分析,(2) 開口粗度を対象としたLarge-eddy simulationによる平均流による換気量推定のための全圧損失係数の把握,の二点を掲げていた.研究計画(1)については,準備段階においてすでに解析していた数値計算結果を分析し,粗度配列条件が換気量推定結果に及ぼす影響を定量的に分析し,国内学会や国際ジャーナルにおいて,報告している.また,当初の予定では平成28年度に実施することになっていた課題,(3) 変動風速による換気量推定,に関する分析を前倒しで行い,同ジャーナルにおいて報告している.これらの結果は屋外環境と室内環境という異なる二つのスケールにおける関連付けることができた点において,これまでにない視点で,都市屋外環境が室内側の換気量にどのように影響するかということや,都市模型が生成する乱れがどのように室内環境に影響するかということを明らかにしたものである.また,都市内粗度の配列条件によって,生成される乱れのスケールが異なることに起因して,室内側換気量も影響を受けることを定量的に示している.また,研究計画(2)については,当初予定よりも進行が遅れており,計算結果をまとめるには至っていないものの,数値解析における基礎的な検討である格子解像度の影響,計算領域の影響,統計値収束のために必要な解析時間の検討などはすでに実行した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では,年度ごとに二つの研究計画を掲げ,効率的な研究遂行を心がけてきた.平成27年度は,(1)無開口模型を対象としたLarge-eddy simulationによる粗度周辺気流と対象粗度の壁面風圧の関係の分析,(2) 開口粗度を対象としたLarge-eddy simulationによる平均流による換気量推定のための全圧損失係数の把握の実施を予定していた.また,平成28年度には,(3) 変動風速に依る換気量推定のために(1)における解析結果を分析し,変動風換気と(2)で得られた開口粗度における換気量推定結果を比較し考察すること,(4) 総括を行うこと,を予定していた.当初の予定では,(1)(2)の課題を平成27年度中に実施する予定であったが,(2)の数値解析のための準備計算の進捗が予定より遅れており前倒しで(3)の変動風による換気量解析を平成27年度に実施した.当初の研究計画の順番を入れ替えての実施にはなったが,掲げた四つの課題のうち二つは順調に進んでおり,平成28年度には残りの課題と,これまでの総括が行えると思われる.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は最終年度になるため,研究計画(2)の開口粗度における数値解析を完了し,データ分析によって,開口による平均流と乱流による換気量推定方法を提案する予定である.また,平成27年度において報告している無開口模型を対象として推定した換気量との比較を行う.以上を総括して本課題を完了する予定である.
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Causes of Carryover |
その他として大型計算機使用料を計上していたが,研究計画(2)の進捗が予定よりも遅れ,平成27年度は大型計算機使用が必要でなかったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は,平成28年度の計算機使用量として計上する.
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Research Products
(8 results)