2015 Fiscal Year Research-status Report
地方都市中心市街地活性化を目指した勤労単身世帯によるまちなか居住促進策の検討
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15K14082
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
樋口 秀 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90293258)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 勤労単身世帯 / 中心市街地活性化 / まちなか居住 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、中心市街地活性化に取り組む活性化基本計画策定自治体119市(2014.10末現在)の各商工会議所を対象に、中心市街地活性化協議会の活動内容、各市の中心市街地活性化状況、まちなか居住に対する考え方とその対応、並びに単身世帯によるまちなか居住の可能性を調査し、その実態を把握した。さらに、商工会議所からの回答を踏まえて、研究対象都市を人口規模5万人以上50万人未満の地方都市(88市)に再設定し、詳細検討都市として青森市・盛岡市・高知市・長岡市・酒田市・津山市・長浜市の7市を選定した。当初計画では、各商工会議所から事業所リスト(事業所名、住所、業種、従業員規模等)を提供してもらう予定であったが、情報管理の問題から提供は不可能という回答が多数を占めたため、事業所リストを扱う民間企業から購入する方法でデータベースを構築した。 次に、7市について、経済センサスデータ(H21)を用いて各都市の就業状況を分析した。各都市のエリア区分ごとの面積と従業者密度の関係をみると、中心市街地の従業者密度では、青森市・盛岡市・高知市と他市との間には大きな差があった。また、エリアごとの事業所規模別の従業者数と割合をみると、ほとんどの都市で郊外の従業者数が最も多く、特に人口規模の小さな都市では郊外・その他のエリアに従業者が偏る傾向があった。事業所規模別の割合をみると、高知市、盛岡市、酒田市では、僅かにまちなかの30人以上規模の事業所が少ない。一方で、津山市はまちなかで30人以上の事業所が多いことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全国的な中心市街地活性化協議会の活動内容を把握したうえで、単身世帯によるまちなか居住への取組等が解明するとともに、調査結果を踏まえて、詳細検討都市7市を抽出することができた。さらに、詳細検討都市について、経済センサスデータ(H21)から各都市の就業状況を把握した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、まず(1)生産年齢単身世帯の分布状況及び推移把握として、市街地を町丁目単位で、中心市街地、1970年DID、市街化区域、市街化調整区域に4区分した上で、2000年と2010年の国勢調査結果を比較し、単身世帯の郊外居住の実態を解明する。次に、(2)勤労単身世帯の居住実態把握として、7市の事業所合計約500については、全体の従業者数、当該事業所の従業者数とそのうちの単身世帯数、および単身世帯の性別、年齢構成、居住地、および住宅手当、通勤手当の実態を調査する。さらに、調査から判明した単身世帯約2000人を対象として居住実態を調査する。加えて、長岡市役所が平成24年4月に郊外から長岡駅に隣接する敷地に移転しており、その効果として、単身者が居住地を変更したのかどうか、交通手段がどのように変化したのか、について職員のうちの単身者約100名に調査を実施する。また、勤労単身世帯向けのシェアハウスの先進事例(シェアリーフ千歳烏山(世田谷区),みかんハウス(松戸市)他)について情報を収集する。
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Causes of Carryover |
当初計画では、各商工会議所から企業リストの提供を受けて、そのリストから約2000社の住所等のデータ構築を想定しており、この作業に研究補助者の雇用を計画していた。しかし、商工会議所からの提供は困難な状況となったため、民間企業から企業リストを購入することとした。購入したリストはすべてを網羅しているわけではなく、不十分な内容ではあったが、各市内の主要な企業の名称、住所等が記載されていたため、これを使用することとした。購入したリストの額が想定していた研究補助者の雇用額を下回っていたため、113,798円の差額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に繰り越した額は、本研究で目指す勤労単身者向けの先進的な住宅(シェアハウス等)の視察先(金沢市、横浜市)を追加し、その旅費に使用することとした。
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