2015 Fiscal Year Research-status Report
地域の持続支援拠点となる公共施設に求められる「公共空間」研究
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15K14083
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小松 尚 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (80242840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小篠 隆生 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00250473)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地域 / 持続可能性 / 拠点 / 公共施設 / 公共空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
①国内先進事例の設立・運営者等へのヒアリング調査 近年完成した国内の公立図書館の先進事例(武蔵野プレイス、一宮市立図書館、オガール紫波)について、公開資料を分析して空間と運営およびサービスの基本特性を把握し、現地踏査によってより具体的にデータを収集し、その特性を分析した。 ②欧州の先進事例の運営者へのヒアリング調査 前年度からの継続研究としてイタリアの公共図書館、具体的には「サラボルサ図書館」(ボローニャ市立図書館)、「IL PERTINI」(チニゼッロ・バルサモ市立図書館)、コローニョ・モンゼーセ市立図書館、トリノ市民図書館協会の運営者に対するヒアリング調査を2015年9月に実施し、公共図書館の空間、運営、サービス等に関する今日的な公共的特性、特に社会包摂と公共図書館の役割に関する分析を行った。またこの研究の一環として「生きた本の図書館」という事業について、関係者からの情報収集とともに日本の類似事例との比較を行った。 ③成果の公表 本研究は前年度からの継続研究であるが、その成果と本研究の成果をとりまとめた研究論文を日本建築学会の論文集(計画系)と地域施設計画研究シンポジウムに投稿し、採択された(各1本。全文査読付き)。特に後者の論文は、①の国内先進事例の特性を加味しながら考察した国際比較研究の成果である。また、本研究の成果を基にしながら、建築学会東海支部主催の研究集会「これからの社会やライフスタイルに呼応する建築計画・設計の新潮流 設計者と実作をめぐるクロストーク」(2016年2月)を中心的に企画し、開催した。さらに、名古屋市主催の公共図書館シンポジウム(2016年1月)において本研究の成果を基にした基調講演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね当初の研究計画に沿って進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度は全国の市町村を対象にした公共施設の「公共空間」に関するアンケート調査・分析を行う予定であるが、前年度の成果を踏まえ、主対象を公共図書館にして実施したいと考えている。
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Causes of Carryover |
2016年度に予定しているアンケート調査等の各種調査研究のための予算をできるだけ確保しておくために、2015年度の予算支出を節約したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国内の公共施設に関するアンケート調査および国内外の事例現地調査に役立てる予定である。
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