2016 Fiscal Year Research-status Report
地域の持続支援拠点となる公共施設に求められる「公共空間」研究
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15K14083
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小松 尚 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (80242840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小篠 隆生 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (00250473)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地域 / 持続可能性 / 拠点 / 公共施設 / 公共空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
①サービス圏域や利用者属性が異なる2つの公共施設を対象に全国アンケート調査を行った。一つは、さまざまな市民に利用され、広域の拠点として位置づけできる公共図書館、もう一つは利用者や関係者が地理的に限定され、地域コミュニティの拠点として位置づけできる小中学校である。前者では、最寄り駅から1km以内に位置し、かつ1990年以降に設置された公共図書館(調査対象924館)の運営者を対象にしたアンケート調査(有効回収率59.5%)を実施し、特に滞在型図書館と呼ばれる市民の幅広い利用に対する空間と運営に関する対応について把握し、その構造的関係を考察している。後者では、2014年4月1日時点で文部科学省が推進するコミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)に指定されている全国の小中学校1780校の学校・地域関係者を対象にしたアンケート調査(有効回収率は小学校14.9%、中学校18.6%)を実施し、地域づくりの拠点としての空間と運営に関する対応状況について把握し、他施設との複合化の課題と可能性を中心に分析している。両研究とも、分析や考察の成果は速報的に発表したが、本格的な論考は来年度行い、発表予定である。 ②海外事例として、ロンドンの公共図書館「アイデア・ストア」とボローニャの公共図書館「サラボルサ図書館」の分析を継続して行い、わが国の公共図書館ならびに公共施設への示唆に関する考察をおこなった。前者は昨年度までの研究成果を2016年3月に日本建築学会計画系論文集に投稿し、審査結果に対して分析や考察を再検討した上で、同年11月の掲載に至った。後者については2016年11月に追加調査を行うとともに、同月にこちらも日本建築学会計画系論文集に投稿し、現在審査中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の2年目にあたって、大規模なアンケート調査を2つ実施し、今後の事例分析に向けた有益な情報が把握でき、今後の事例分析が期待されること、また海外事例の研究結果を学術論文として投稿や採択の段階まで到達できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、2年間の成果を基に、これまでの公共サービス提供拠点としての公共施設の計画論ではなく、地域拠点としての公共施設の計画論について考察する。そのためには、公共施設を公共空間として捉える視点が不可欠と考えており、社会学など関連分野の知見も導入した学際的な考察を行い、今日各自治体で検討、推進されている公共施設マネジメントに対する広域および近隣レベルでの地域拠点の形成とそのネットワーク化に向けた公共施設再編の理念と手法の知見を導き出したい。
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Causes of Carryover |
適切に支出したものの、端数(301円)の残額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度の経費と合わせて使用する予定である。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] 学校の活用2017
Author(s)
小松 尚
Organizer
松阪市公共施設マネジメント市民討議会 事前研修会
Place of Presentation
松阪市産業振興センター
Year and Date
2017-01-22
Invited
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