2015 Fiscal Year Research-status Report
地方都市の歴史的町並みにおける団体受け入れ民泊事業モデルの社会実験
Project/Area Number |
15K14086
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
三島 伸雄 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60281200)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 歴史的町並みの利活用 / 団体宿泊 / 民泊 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、モデル研究地である佐賀県鹿島市肥前浜宿における受け入れ体制をチェックしてより適切な受け入れ体制を整え、社会実験を行うための準備を行うことを目標としていたが、さらに踏み込んで、昨年度に急遽行った団体宿泊客受け入れを踏まえた再実験と結果検証を行った。 すなわち、受け入れ組織である実行委員会と打ち合わせをしながら以下のことを行った。(1)民泊できる建物の抽出と部屋数の整理、(2)空き家利活用の可能性の検討、(3)緊急時の通信機器のチェック・マニュアルづくり・情報交換体制づくり、(4)宿泊者の募集と社会実験のスケジュールなどの作成、(5)アンケートの作成、(6)社会実験の実施と検証、である。 社会実験は、7月30日から8月3日にかけて4泊5日で行った。宿泊者は、近年のグローバル化も鑑みた結果、タイ人30名、韓国人9名、中国2名、ミヤンマー人1名、日本人16名の計63名であった。結果として、受け入れ体制の不十分な点(冷暖房、トイレの案内など)が浮き彫りになったが、一方で、モデル地の歴史的環境や住民の歓迎などに対する好印象を得ることができた。住民からは、周知方法の徹底、ゴミ処理などのマナーに関する問題などが浮き彫りになった。また、受け入れ体制としては、常時できるような仕組みになっていけばよいが、客の確保の可能性などについての疑問や金額設定の問題などを解消していく必要があることが指摘された。 以上のように、アンケートの実施によって、今後の団体宿泊客受け入れに対する可能性と問題点を整理することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は予想していなかった社会実験を行うことができ、モニタリングを実施することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
設備の設置状況の確認やビデオなどの設置までは準備できていない。来年度も引き続き社会実験を行うことにより、今回の問題の解消の検討、より安定性のある団体宿泊システム構築の検討などを行う必要がある。
|
Causes of Carryover |
研究依託費を支払う代わりに謝金を支払うことになったが、額が思ったより少なくて済んだ。また、進捗状況は順調であるが、設備などの整備がまだ行うことができなかったため、次年度に繰り越すことになった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
ビデオなどの設営を行い、今後の調査に使用する。
|
Research Products
(4 results)